アスファルト・ジャングル
SAPIOという右翼雑誌に載っていた映画評を読む。
日本のなんとかいう作家が、悪徳刑事を主人公にした米国映画について批評しているんだけど、ついこの作家に同情したくなってしまった。
彼はわたしより年上だけど、まあ、同じ団塊の世代といっていい人である。
そういう人が昨今の米国映画の批評をしなければならないなんて、いくら商売とはいえ因果なものだ。誉め言葉を探すのに、さぞかし苦労したんじゃあるまいか。
この映画に登場するのはドラッグ中毒の刑事だそうだ。
若いカップルからヤクをまき上げたり、高級娼婦におぼれたり、バクチに金をつぎこんだり、警察の情報をもらしたり、実生活ではアル中の父親に悩まされたりと、まあ、かなりどうしようもない刑事らしい。
しかし、そんな人間のくせに奇妙に正義感が強く、さえない顔をしているくせに犯人逮捕で実績を上げる・・・・・・・・んだそうだ。
ちょっとひねったつもりかもしれないけど、こんなストーリーを聞いただけで、また例によってマンガチックなアホらしい映画なんだろうという確信を持ってしまう。
フランスかイタリアの映画ならまだしも、なんせニコラス・ケイジ主演の米国映画だからなあ。
部屋にあった 「アスファルト・ジャングル」 という古い映画のDVDを観てみた。
この映画にも悪徳警官が登場するけど、こちらはノミ屋に手入れの情報を流してささやかなワイロを稼いだり、上司から小言をくらってしょぼくれたり、最後は情報をもらしていた相手とトラブルになって共に刑務所行きになってしまうといった塩梅で、はるかにリアリティある人物として描かれていた。
映画も素晴らしいけど、この映画でケンカっ早いヤクザを演じたスターリング・ヘイドンてのはいい役者だったよなあ。
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