« トルコ/歴史-1 | トップページ | エマージェンシー »

2010年3月 5日 (金)

トルコ/歴史-2

323b

新しい世界宗教のイスラムが誕生するのはビザンツ時代の後半のことで、やがてアナトリアはその波に飲み込まれる。
もうひとつ肝心なのは、トルコ人がトルコに侵入するのは、イスラムの勃興以降の11世紀ごろということである。
それまでトルコ族はトルコに住んでいたわけではないのだ。

ビザンツ帝国の衰退後、セルジュークというあまり興味のもてない王朝をへて、オスマン・トルコの時代が始まる。
セルジューク時代の末期には例のモンゴル軍の侵略を受け、アナトリアもだいぶ混乱したようだけど、やがて幾多のごたごたのすえにオスマン王朝が興こって、トルコは版図を最大のものにし、ヨーロッパ・キリスト教世界を震撼とさせる大帝国に成長するのである。
震撼させるだけじゃなく、平和的に見れば、欧州と文化的、経済的にさかんに刺激しあった豊かな時代だったといえるかもしれない。
イスタンブールのスルタンアフメット寺院 (ブルーモスク) やトプカピ宮殿などはこの時代に建てられたものだそうな。

このオスマン王朝の時代は、その末期においてわたしの時代とつながっている。
いや、わたしがそんな昔に生まれたっていうわけじゃないんだけど、わたしは映画が好きで、若いころ観た 「アラビアのロレンス」 はこの時代の最末期を舞台にしているのである。
ロレンスによって陥落させられるアカバの要塞を守備していたのはオスマントルコの軍隊だったのだ。
というわけで、映画好きにはこの時代はそろそろ自分の時代みたいな気がしてしまうのだ。

ロレンスの活躍のせいかどうか知らないけど、このあとオスマン王朝は崩壊し、「アタチュルク」 の項でふれたムスタファ・ケマルの共和制トルコになって現代にいたる。
というのがおおざっぱなトルコの歴史である。
この程度で勉強とはおこがましいけど、それでもぜんぜん知らないよりは、すこしは観光の手助けになる (かもね)。

| |

« トルコ/歴史-1 | トップページ | エマージェンシー »

旅から旅へ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: トルコ/歴史-2:

« トルコ/歴史-1 | トップページ | エマージェンシー »