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2010年4月15日 (木)

甃のうへ

349_2

暖かくなったり寒くなったり、今年の天気はテレビの特集になるくらい異常である。
今日はまた雨だし、サクラもそろそろ終わりだから、ちょっと時期を失した感もあるけど、ある詩にこの写真を添えてみたいと思っていた。
三好達治の「甃のうへ」という詩である。
日本語の美しさを体現したような詩なので、あえておくゆかしい原文のかなづかいどおりに載せると
  あはれ花びらながれ
  をみなごに花びらながれ
  をみなごしめやかに語らひあゆみ
  うららかの跫音空にながれ
  をりふしに瞳をあげて
  翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
  み寺の甍みどりにうるおひ
  廂々に
  風鐸のすがたしづかなれば
  ひとりなる
  わが身の影をあゆまする甃のうへ

時期としてはもうすこしあとのようだけど、この詩では和服を着た女性たちがしのびやかに寺院の境内をあゆむ姿がうたわれている。
その足もとにはきっとこの写真のような光景が見られたのではないか。

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