井上ひさし
井上ひさしさんが亡くなったけど、あまり感慨がないんだよな。
その作品は一冊も読んでないし、劇も観たことがない。
まじめで誠実な作家だったらしいけど、わたしにいわせるときわめて体制的で、あまり読もう、観ようという気がおきない作家のひとりなのである。
共産党のイデオロギストがなんで体制的なんだと苦情がくるかもしれないけど、良識派の作家なんて、わたしにはすべて体制的に思えてしまう。
知り合いの中に、政治というのはダンボールの箱を右から左に移すようなものと心得ている人がいるけど、憲法9条の順守などと、複雑な問題を庭石のように単純化して考えられる人を、わたしはあまり信用しないのである。
そんな印象だったけど、いろいろ調べてみると、そんな説明におさまらない火宅の人の一面も持っていた人らしい。
本人が亡くなってそういうことの全貌がさらけ出されることになれば、わたしの見方も変わるかもしれない。
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