ミリオンダラー・ベイビー
録画してあった 「ミリオンダラー・ベイビー」 という映画を観る。
公開当時に映画館で観たし、過去にテレビで放映されたものも観たので、とっくにストーリーのわかっている映画である。
それでもまた観たいと思うほど、最近の米映画としてはわるくない映画なのである。
最近のアカデミー賞はおよそ感心しない映画に与えられることがあるけど、「ミリオンダラー・ベイビー」 については、その受賞にわたしも異論はない。
映画について書くとき、あらかじめネタばれ注意と書くのが礼儀らしいけど、この映画についてはすでに公開されてからだいぶ日にちが経っているし、いまさらネタがバレたから観ないという人がいるとも思えないので、ざっくばらんにストーリーに触れることにする。
初めて観たときは、女性ボクサーを描いていること、アカデミー賞を受賞していること以外なんの予備知識もなかった。
映画の中ほどまでは、ひとりの女性がボクサーとしてめきめき頭角をあらわす話で、これはこちらの予想通り。
ところが後半になると、一転しておっそろしくクラい話になる。
最近のノーテンキな米国映画の中では出色といえるくらいクラい映画になるのだ。
ヒラリー・スワンク扮するボクサーは、チャンピオン戦で対戦相手 (見るからにコワそう) の反則によって、首から下がマヒした障害者になってしまうのである。
映画の後半は、彼女を見守り、ついに薬物を注射して彼女の苦しみを終わらせるトレーナーの悩みが描かれる。
健康な人たちや世話すべき老人のいない人々には無縁の問題だけど、最近増加傾向の認知症も含めれば、世間には寝たきり、車椅子の患者をかかえた家族も多いはずだ。
たとえそうでなくても、わたしもそろそろ自分自身の未来について考えなければいけない世代である。
「ミリオンダラー・ベイビー」 は楽しい映画ではないけど、いろいろなことを考えさせる映画なのだ。
添付した画像はヒラリー・スワンク。
最近のアメリカ映画にはこんなふうな、わたしなんかが束になっても抑えつけられそうもないアスリート型が多くてねえ。
わたしはもっと可憐なタイプが好きなんだけど。
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