詩人の日記
このブログでも彼の 「夏の終り」 という作品を紹介したことがあるけど、今日の夕刊に伊東静雄のことが出ていた。
なんでも彼の青春日記が刊行されたんだとか。
昭和28年に亡くなった詩人の、その若いころの日記ということは、もちろん戦前の青春である。
写真も載っていて、いかにも戦前の学生らしいバンカラ・スタイルの静雄と、若い女の子がならんでいる。
この女の子は静雄の伝記にひんぱんに登場する酒井百合子って人らしいけど、彼が結婚した相手は彼女ではなかった。
静雄はひじょうに惚れっぽい人だったそうである。
おお、そういう点はわたしに似ているなと、変なところで感心。
それ以外はおそれ多いので類似点を挙げないけど、わたしが愛誦する彼の詩の一部を紹介しておこう。
如何にしばしば少年等は
各自の小さい滑板にのり
彼の島を目指して滑り行っただろう
ああ わが祖父の物語!
泥海ふかく溺れた児らは
透明に 透明に
無数なしやつぱに化身をしたと
この詩は有明海の点景をうたった詩の後半部分で、しゃっぱというのは干潟にすむシャコのことらしい。
| 固定リンク | 0
« 竹ペン | トップページ | YouTubeへ »
「(朝日)新聞より」カテゴリの記事
- 有料記事(2023.06.05)
- 朝日の世論調査(2020.09.04)
- 朝日新聞に感謝しよう(2020.06.04)
- ウチの新聞(2020.04.02)
- 悩む(2020.03.07)
コメント