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2010年6月 5日 (土)

ウアルカイシ

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昨日テレビを観ていたら、ウアルカイシが中国大使館に突入して逮捕なんて映像が出てきた。
ウアルカイシというのは1989年の天安門事件で、中国当局から指名手配された学生リーダーのひとりである。
あれから20年以上の歳月が流れ、当時はやせっぽちだった彼も、だいぶいいオッサンになっていて、まるで雄牛が突入しているようだった。

天安門事件のあと彼が中国を脱出できたのは、複雑に入り組んだ華僑のネットワークのおかげということを書物で読んだことがある。
つまり、当時から中国は1枚岩ではなく、政府内にもさまざまな勢力が拮抗していて、そのひとつ、もしくはいくつかのグループがひそかに彼の逃走を援助したというのである。
なるほどと思う。
そう考えなくちゃ、ウアルカイシや、やはりリーダーだった柴玲がやすやすと国外に脱出できた理由がわからない。

それだけじゃなく(わたしの大胆な推測だけど)当局のどこかに、改革開放が平穏に進展すれば、ひょっとすると中国の未来を担うかもしれない優秀な学生たちを、彼らの若気のいたりで処刑なんかしたくないと、逃亡について暗黙の了解があったんじゃないかって気までしてしまう。
やはり学生リーダーだった王丹も、数年間のムショ暮らしのあと、国際的圧力のために釈放されてしまった。
これをどう考えたらいいだろう。
とにかく彼らは処刑なんかされなかったわけだ。

日本でも革命をとなえて浅間山荘にたてこもったり、北朝鮮に亡命した連中がいた。
ただその後の日本は、彼らの主張や存在までもまったく無視したまま順調に発展を続け、最近では行き過ぎて経済悪化の段階に入っている状況。
昭和の反体制活動家たちは、それがいてもいなくても歴史を左右なんかできなかっただろうと思われる。
中国の反体制活動家の王丹や柴玲は、その後アメリカで学者や実業家に転身している。
いまでも民主化運動はしているようだけど、最近の中国の発展ぶりに対抗するには、発言にあまり重みがない。
やっぱり天安門事件の彼らの突出ぶりは、若気の至りだったとしかいいようがないのじゃなかろうか。

天安門では命からがら逃げ出したウアルカイシは、現在は逆に中国にもどらせろとごねているらしい。
彼からみれば、最近の中国なら帰国即処刑なんてことはないだろうとタカをくくっているんだろうけど、中国政府もそのへんはお見通しで、帰国してまた揉め事を起こされては困るから、なんだかんだいって入国を拒否する算段。
逃げ出した女房がもどってきたら、亭主には新しいオンナができていて、帰れ帰れといって家にいれないとおんなじ図。
中国の歴史を左右したのは、若い反体制活動家たちではなく、老練政治家の鄧小平であって、現在の中国の発展ぶりは彼の強権の勝利としかわたしには思えないのである。

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