ミュシャ
三鷹市の美術ギャラリーでアルフォンス・ミュシャ展を開催中。
ミュシャはアールヌーヴォー派の画家で、装飾過多のデザインと美しい女性のポスターなどが知られている。
美しいものに対して必要以上に厳格なわたしでも、つい観たくなる絵なのである。
でも、そう思っているのはわたしだけじゃなかったとみえて、あまり大きくない美術ギャラリーはひどい混雑。
日曜日の午後だから混むのかなと思ったら、それはポスターや絵ハガキを買おうという人たちの行列だった。
女性係員がやってきて、絵を観る人はこっちですと入口に案内する。
ま、ギャラリー内部もすいているわけじゃなかったけど。
しろうとのわたしが専門的なことをいうのはおそれ多いので、アールヌーヴォーという芸術についてはウィキペディアでも参考にしてもらうとして、ミュシャの絵で感心したのはリトグラフという表現形式のすばらしさ。
ミュシャの時代、リトグラフ (石版画) という表現技術がひとつの頂点に達して、まるで写真のようにリアルな絵画を大量に印刷できるようになった。
現代ではよりリアルな写真製版の時代になっているけど、そのせいでかえってリトグラフの、絵画と写真の中間をいくような独特の個性が輝いてきたように感じてしまう。
わたしも若いころからリトグラフをやってみたくてたまらなかった。
ただ、これは個人でかんたんに得られる技術、設備ではないので、それがわたしの人生と交差することはいちどもなかった (この点では熊本のKさんがうらやましい)。
ミュシャの絵を子細に観察して、他とちがってやけにリアルな顔の部分の陰影や、服のひだなどの表現に感心してしまった。
小さな美術館の催しものとしてはなかなか楽しめるものだった。
いっしょに行ったわたしの知り合いは、ミュシャというのは女だと思っていたそうだけど、彼は男です、念のため。
※添付した画像は、ブログにあわせるために90度転倒させてあります。
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