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2010年7月11日 (日)

栗林慧さん

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この写真を観て、おっ、でっかいバッタだなと思った人。
それがマチガイとはいわないけど、ちょっと写真に詳しい人なら、ついでに?と思わなければいけない。

バッタをこれだけ大きく撮るには、ふつうマクロレンズや接写リングを使う。
しかしどっちを使うにしても被写界深度が極端に浅くなるものだから、とてもこんなふうに背景の雲にまでピントが合わないのである。
背景にピントが合っているおかげで、小さなバッタが恐竜のように巨大な生きものに見えてしまう。
写真を見なれた人にとって、これは名状しがたいじつに異様な写真なのだ。

じつはこれは昆虫写真家の栗林慧 (さとし) さんが、自分で開発した特殊レンズを使って撮影したものである。
ずっと以前にも観たことがあるけど、昨夜のBSで再放映された 「幻の黄金クワガタを追う」 という番組は、栗林さんのレンズが、マレーシアの熱帯雨林に棲む昆虫たちを相手に、その威力を十二分に発揮した番組だった。
マクロの視点でながめると、もともと熱帯林というものは驚異がいっぱいなんだけど、この番組に登場する昆虫たちは、わたしたちと同じ大きさで、わたしたちと同じ次元の世界をのっしのっしと歩いているようにみえる。
恐竜や宇宙人の出てくる最近の米国映画よりよっぽどおもちろい。

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