もの忘れ
調べものがあって書斎から、ふだんあまり使わない図鑑をひっぱり出したら、ページのあいだから1万円札と千円札が何枚か出てきた。
不測の災害にでもそなえて隠しておいて、そのまま忘れてしまったものらしい。
あわててほかの本もかたっぱしから探してみようと思ったけど、わたしの家の書籍類ははなはだ数が多いので、とてもそんなヒマはない。
それにしてもしまらない話である。
こういう人間がお金持ちになったという話は聞いたことがない。
うそかホントか、わたしの友人には、古い証券類を整理していたら数百万円が出てきたなんてイバっていたのがいるけど、彼もその後お金持ちになったとは聞いてない。
出てきた1万円札は聖徳太子のもの、千円札は伊藤博文と夏目漱石のものだった。
さっそくネットで調べてみたら、聖徳太子の1万円札は1986年まで発行されていたそうだから、とすると昭和61年。
伊藤博文の千円札は同じ1986年、夏目漱石は2007年まで発行されていたらしい。
もうろうとした脳みそを撹拌してみると、1986年に旧紙幣が廃止されたとき、将来値がつくんじゃないかなんてさもしい考えで、それ以前のお札を隠したような記憶がある。
ということは24年間も書斎の奥で眠っていたことになる。
さっそく海外旅行の足しにしてどこかへ行こうかなと考えたが、この金額ではたいしたところへは行けそうにない。
こんなことならもっとたくさん隠しておくんだったと、ホント、馬鹿なんだか利口なんだか。
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