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2010年10月 3日 (日)

また尖閣諸島の2

今週の週刊新潮を読むと、ここはもともと中国ギライで知られている雑誌だから、尖閣諸島について、自民党の石原クンや女だてらの櫻井よしこサンを動員して、漁船の船長を釈放したのが弱腰だとか、官房長官の説明はウソだなんて政府の対応を非難すること。

でもまあ、わたし流に分析してみると、今回の件では結果的に日本がかろうじてポイントを稼いだといえそうである。
中国としては、このさいいっきに尖閣諸島を領有権問題にしてしまおうと考えて、ありとあらゆる対抗手段を持ち出したものの、日本が早々と船長を釈放してしまったおかげで、ボールは中国のほうに返ってきた。
それでもあちらの政治家たちはまだ強引にかまえて、オレたちを怒らせるとコワイんだぞということを見せつけようとしたものの、さすがにこりゃちとマズいと思い当ったんじゃないか。

中国の強引な手法は、領有権問題をかかえるほかの国にも大きな警戒心をもたらしたし、なにより中国が北朝鮮と同じような、民主主義のルールが通用しない横暴国家であることを世間に周知させることになってしまった。
笑い話に聞こえるかもしれないけど、中国の悲願は国際的に (民主的な国であるということを) 認知してもらうことなので、他国から横暴国家であると思われることは死ぬほどツライことなのである。
おまけにレアアースの中国以外からの輸入方法や、その日にそなえたいろいろな対抗策を検討された日には、中国にとって手持ちのカードをみすみす失わせるようなものだ。
最新の状況をうかがってみると、中国はメンツをつぶさないかたちで軟着陸の方法を探り始めたようにみえる。

今回の問題では日本はルールの通用する冷静な国であることを証明した。
こんなときに民主党の幹事長代理である枝野クンが、『中国を 「あしき隣人」 と呼び、激しく批判した』というニュース。
彼も本音は中国ギライのひとりだったらしいけど、相手がホコを収めようとしているときは、こちらもホコを収めるべきじゃないか。
弱腰が野党から非難されているので、それを挽回するつもりだろうけど、調子にのって言いたい放題のことをいってると、また話がこじれてしまう。
このあたりは言葉をつつしんで、厳正で粛々とした態度を示しておくだけでいい。
今の民主党には、そんなことより日中間のパイプを太くしておくほうが重要だ。

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