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2010年10月14日 (木)

ミドウィッチ村のカッコー

00mid

ここんところNHKのBSはSF映画の特集で、おとといが 「2001年宇宙の旅」 なら、昨夜は 「アンドロメダ」 という、今となっては古典の範疇に入りそうな作品が放映された。

「アンドロメダ」 は、ある日とつぜん、特定の地域の住民が原因不明のまま死滅してしまうというミステリー仕立てのSFである。
初公開時に観たおぼえがあるけど、出だしはなかなかおもしろいのに、最後がちともの足りなかったという記憶がある。
ただ、新型細菌や核物質に汚染された場合、いかように対処するかという方法が、微にいり細をうがって描かれているので、そういうものに興味がある人にはおもしろいかも。
わたしもむかし海上自衛隊にいたころ、核戦争で艦が死の灰まみれになった場合はどうするかという訓練をやらされたことがある。

この映画を観ているうち、もうひとつの映画を思い出した。
英国の小さな田舎の村で、ある日とつぜん村民がみんな昏睡状態になってしまう。
救助隊が派遣されても一定の距離まで近づくとみんなバッタリ。
原因がわからずに右往左往するうち自然に昏睡状態は解消するのだけど、その後の村民に異常な事態が発生する。それも女性ばかりに。
これだけいえばおわかりの人もいるだろうけど、「光る眼」 という1960年の古いSF映画である。
なにしろモノクロで、宇宙人も恐竜も、とうぜんパソコンも出てこない地味な映画なので、日本じゃあまり話題にならなかったようだけど、これはSF映画の傑作である。
と、わたしは信じている。
ただし、その後リメイクされて、アホらしいホラー映画にもなっているから間違えないこと。

「光る眼」 の原作は英国のSF作家ジョン・ウィンダムの 「ミドウィッチ村のカッコー」 で、カッコーは托卵という習性でしられる鳥である。
このタイトルが映画の内容を暗示しているのに、英語版でもタイトルにこの言葉は使われてないようだった。
原作通りのタイトルじゃ自然科学のドキュメンタリーになっちまうと思われたのか。
ちょっと残念なので、せめてこのブログでは原作のタイトルを使うことにした。

ミステリー仕立てだから結末を話すのはつつしむとして、べつの視点から感じたことを書くと、映画のなかに金髪、いや、モノクロだから銀髪ってことになるけど、そんな少年少女のグループが登場する。
このうちの銀髪のクールな少女が、どこかエロチックで不思議な雰囲気をただよわせていた。
「ぼくのエリ」 の項でもふれたけど、どういうわけかわたしは幼少のみぎりから、そういうものにひじょうに敏感だったようである。

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