迷走
中国が迷走している。
温家宝首相が右往左往している。
先日、首脳会談をドタキャンした温首相が、一転、むこうのほうから懇談に応じたそうだ。
これはいったいどういう風のふきまわしか。
共産主義では一枚岩の中国も、その内部ではさまざまな勢力が拮抗し、せめぎあっている。
温首相が日本にあまい顔をすると、ケシカランという声がおこる。
あわてた彼が今度は日本にきつい言い方をすると、そりゃマズイぞ。アジア全体を敵にまわしてしまうんでねえかといわれる。
それをとりつくろうために、今回の懇談は、温首相がせいいっぱい曖昧に、日本との対話に踏み切ったようにみえる。
ここんところ最高指導者の胡錦濤サンの影がうすいのも、百家争鳴の中国で、立場やスタンスをあきらかにできないからじゃないか。
集団指導体制というと聞こえがいいけど、現在の中国では、ああいえばこういう・こういえばああいう理屈ばっかりにぎやかで、そのじつ肝心なことは何も決まらないという民主主義の弊害があらわれ始めたようにもみえる。
毛沢東や鄧小平サンのような強力なカリスマがいなくなり、しかも唐突な発展、国内の統制がつかず、政治家は収拾策を知らず、未来はバラ色どころかむしろ暗澹たるもので、内憂外患のこの国ではまた新たな混乱期が始まっているのかもしれない。
ちと危険な臭いもするけど、巨龍よ、おまえはいったいどこへ行くのかってとこだな。
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