栄光のル・マン
わたしは肝心なことはすぐ忘れるくせに、つまらないことはよくおぼえている。
人の名前や電話番号なんて、いちど聞いただけではかならず忘れる。
そのくせ相手が美人のオンナの子だったりすると、そういうものを忘れることはゼッタイにないから、これは記憶力ともちがうどこかの器官が異常をきたしているようである。
火曜日の夜、BSで放映されたスティーヴ・マックィーンの「栄光のル・マン」を観た。
1971年の映画だから、もう40年ちかくまえの映画だ。
とうぜんながらまだコンピューター・グラフィックも使われてないし、スピード感はイマイチ。
映画はロクなもんではないけれど、レース・シーンは手作りみたいな素朴な味わいがあって、のどかなクラシックカー・レースを観ているみたいでわるくない。
駄作だけど、観ていていろいろ思うことがある。
この年の耐久レースではガルフチームのポルシェが圧倒的に優勢で、ル・マンでもこのチームが優勝する可能性がひじょうに高かった。
そういうわけでマックィーンが映画の中で乗るのも、ブルーとオレンジの塗装のガルフ・ポルシェということになっている。
こうしておけば優勝してゴールするシーンに実写映像も使えると考えたんだろうけど、皮肉なことに、この年のル・マンでは優勝したのは他のチームのポルシェだった。
車体のカラーがちがうのでこれでは実写映像を使うわけにはいかない。
映画のラストがなんとなくしまらないのはこれが原因かもしれない。
この映画ではポルシェとフェラーリが、まるでスプリントレースのように、ゴール直前まで抜きつ抜かれつの大接戦。
24時間レースでは、ゴールしたとき1位と2位の差が、5分、10分以上となることがめずらしくないから、そんなのありかよと思ってしまうけど、じつは過去にじっさいにそういうことがあったから、いちがいにウソと言い切ることもできない。
1969年のル・マンでは、フォードGT40(ガルフチームの車だった)とポルシェ908が後々までの語り草になる死闘を演じた。
なにしろゴールしたときの差が、この映画のように数百メートル、ということは数秒しかなかったのだ。
このことはこのブログの07年10月1日の記事でふれたことがある。
ガルフGT40のドライバーはジャッキー・イクスだった・・・・・・・・
こんなことをおぼえていて何か役に立つのか。
立たない。ぜんぜんなんにも。
だからわたしはつまらないことをおぼえていると最初にことわったのである、ホント。
| 固定リンク | 0
« 認めません | トップページ | ダブルスタンダード »
コメント
この写真は、私がウエザリングのモデルカーを撮影し、ヤフオクにアップしたものを加工したものですね。
私に著作権がありますので、至急削除してください。
投稿: sato | 2014年2月17日 (月) 00時57分