トチノキ
だいぶむかしの話だけど、「宇都宮市でマロニエ祭り」 という新聞記事を見つけたことがある。
マロニエといえばフランスである。 パリである。 シャンソンである。
「枯葉」 なんてよく知られたシャンソンがあるけど、あの葉っぱはマロニエにちがいない。
この歌はあまりに有名なので、シャンソン歌手だけではなく、ポピュラーやジャズ畑のいろんな歌手がうたっており、最近ではロック・ギタリストのエリック・クラプトンまでうたっていて、これがまたなんともシブくていいんだけど、とりあえずその話は棚に上げて・・・・・・・・
宇都宮とかけてマロニエととく。
そのこころは?
はてね。宇都宮とシャンソンが何か関係あったかねと、わたしは新聞を読んだあとしばらく考えこんでしまった。
栃木県の人に笑われてしまいそうだけど、わたしが博物学に興味がなく、動植物の名前にぜんぜん関心がなかったら、このなぞかけの答えは永久にわからなかったと思われる。
マロニエというのはトチの木、つまり栃の木で、ほれ、もうわかってきたでしょう。
栃木県の県庁所在地でマロニエ祭りというのは、けっしてヘタなこじつけじゃなかったのである。
でもちょっとカッコつけすぎだよな。
マロニエ祭りでなくて、トチノキ祭りというほうが、なんとなく縄文の響きみたいなもんが感じられ、素朴な民芸品の手ざわりがあって、日本人のこころに訴えそうじゃないの。
先だって日光のほうへ行ったとき、名物のトチモチを食べて、これがすてきに美味しかったけど、トチモチがマロニエモチじゃ、クリームパンみたいなもんしか連想できないぞ。
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