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2010年11月15日 (月)

一竹美術館

河口湖のほとりにある 「久保田一竹美術館」 に行ってきた。

久保田イッチクってどんな人だっけと訊いたのは、わたしである。
いっしょに出かけた知り合いの説明によると、「辻が花」 という和服の染めもので知られる染色家の美術館だそうだ。
そういわれて思い出した。
だいぶむかしだけど、なんとかいう染色家が、いまではその方法もわからない辻が花という古式ゆかしい染色方法を復元させたなんて記事を、週刊誌で読んだことがある。
その美術館がこんなところにあったのかと、とりあえず入ってみた。

じつは河口湖へ出かけた目的は、湖畔で紅葉祭りが開かれていて、知り合いがそれを観たいと言い出したからである。
紅葉なんか奥多摩でも観られるぞ、うちの近所の天文台だってなかなかのモンだと、混雑のキライなわたしはそんなもの行きたくなかったけど、いつもワガママばかりいってるからたまには相手の言うことも聞かなければならないのである。

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紅葉祭りは大混雑だった。
勝手にしろと、会場のずうっと手前の駐車場に車を放り込み、あとはぶらぶら歩くことにした。
紅葉は、まあべつに文句をいうほどのもんでもないけど、見物人がひとりもいない状態だったらなと、わがままな独裁者みたいなことを考える。
会場の奥のほうに 「久保田一竹美術館」 があった。

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なんというか、和洋折衷みたいな前衛的な美術館である。
山の起伏や植生をうまく利用した環境は日本の茶室みたいなところもあるし、建物そのものは壁や内部がくねくねで、ガウディの教会を思わせるようなところもある。
石の門をくぐっていくと、池があって、水面にモミジや松葉が浮いていて、それが和服の紋様のように見えた。
さすがは染色家の美術館だなと変なところに感心する。

展示されている作品は、正直いって好きになれなかった。
浴衣やふつうの和服の染色かと思ったら、浮き彫り処理をした豪華な内掛みたいな着物ばかりで、いくら繊細なグラデーションなんていわれても、そのキンキラキンぶりはわたしにはなんの役にも立たないものだ。

美術館の奥に 「一竹庵」 という茶室があったので、ガラスごしに深山幽谷 (のミニチュア) みたいな庭園をながめながら、抹茶とぜんざいのセットを注文した。
これはなかなか美味しかったけど、家にいるときは相撲取りの茶碗みたいないれものでお茶をがぶがぶ飲むわたしには、量が少なすぎてもの足りない。
でもまあ、いくらかはワビ・サビみたいな雰囲気を感じて、無事に帰路についた。
帰りの中央高速は大渋滞で、だから言わんこっちゃない、もう行かんぞと思う。

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