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2010年11月25日 (木)

佐野洋子サン

友人が、この本おもしろいよといって佐野洋子という人のエッセイ集を貸してくれた。
佐野洋子って誰だっけ。
たしか佐野洋って作家がいたけど、その人の奥さんだったかなとわたし。
読書家のつもりだけど、興味のないものには徹底的に興味をもたないのが、どうもわたしの欠点である。

調べてみたら「百万回生きたねこ」という童話の原作者だということがわかった。
この童話について聞いたことがあるけど、べつに読みたいとも思わなかったから、やはり作家についてぜんぜん知識がなかった。
詩人の谷川俊太郎さんが前夫だったそうだけど、わたしはこの人の詩にも興味がないので、そっち方面から彼女の名前を知ることもなかった。
興味のないことは常識以前といういびつな性格なのである、ワタシゃ。

原作だけではなく、「百万回生きたねこ」ではその挿絵を描いた人でもあるというから、洋子さんはかなり多芸の人であるようだ。
当然、どんな容貌の人かということに興味がわいたので、これも調べてみたら、本人のいうとおりあまり色恋沙汰に縁のありそうな顔ではなかった。
そして2010年の11月5日に肺ガンで亡くなっている、ということはまだつい最近のことじゃないか。
本を貸してくれた友人もあわてて興味を持ったらしい。道理で本がまだまっさらだ。

さて彼女のエッセイのことだけど。
この中で、佐野洋子さんははたが心配になるほど辛辣なことをたくさん書いている。
友人のいうのには、アンタも辛辣だからきっとこの本おもしろいよということである。
なるほど。おもしろい。
ふつう日本の作家というのは、同業他者の本をけなすということをしないものだけど、彼女は、たとえば渡辺淳一サンの本をけちょんけちょんにしている。
わたしも「失楽園」なんか読みたいと思わないから、このあたりは胸がスカッとしないでもないけど、ブスは性格がわるということを立証するような本である。

これは常識的生き方、世間に対して気配りしながら生きている人が読んだら、目からウロコという本かもしれない。
しかしわたしは自分もかなり辛辣なものの見方をするほうなので、そういう人間の精神構造もわりあいよくわかるほうだし、内容もそれほど意表をつかれるわけではない。
おもしろいことはおもしろいけど、似たようにひねくれた中野翠やナンシー関、林真理子なんかも読んだことがあるので、美貌をもって生まれなかった女性は、自虐を売リモノにする場合が多いということを証明する本のひとつなんだろうと思う。
文庫本ならいざ知らず、ハードカバーで買って読みたいほどの本じゃないのである。

このエッセイ集にかぎっていえば、おもしろいのは前半まで。
後半になると辛辣という毒気がぬけて、夫婦してタイの高級ホテルに泊まったとか、和服を見ると買わなくちゃいられないなんて、アンタは中村うさぎかといいたくなってしまう。
これは玉石混淆のエッセイをかき集め、おもしろそうなものを前半に、クズは後ろのほうにという出版社の編集方針によるのだろう。
やっぱりわたしもそうとうに辛辣だよな。

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