GUY BILLOUT
昨日 (月曜日) の新聞にはGLOBEというおまけ紙面がついてきて、特集は中国の80后 (バーリンホウ) という世代について。
これは1980年以降に生まれた中国の新人類たちのことで、ひとりっ子政策の下で大切に育てられたものの、いま激変する中国の中で、さまざまな新しい問題をかかえる世代でもあるのだそうだ。
とはいうものの、ここでわたしが書こうというのは、80后や中国のかかえる問題ではなく、GLOBE紙面のかたすみに掲載されている小さなひとコマ漫画について。 GUY BILLOUTというマンガ家についてである。
上手いマンガ家がヘタに描くのはむずかしいということを、このブログでも書いたことがあるけど、このマンガ家の作品も子供が描いたマンガのようにヘタである。
というと語弊がある。
この文章はわざとふざけてみただけで、わたしがマンガが上手いということはけっしてなく、この BILLOUT というマンガ家がヘタということもぜったいにない。
つまり線を多用した一見器用なマンガ家には、単純でわずかな線しか使わないこのマンガ家の作品は真似できるものではないのである。
興味をもったのでネットで GUY BILLOUT を検索して、このマンガ家の他の作品も見てみた。
ホームページに掲載された作品を見ると、けっして単純な線ばかりのマンガ家でないことがわかる。
http://www.guybillout.com/
ここにあるのはちゃんと色づけされた、どこかシュールレアリスムの画家ルネ・マグリットを思わせる、静寂の中にユーモアと皮肉をきかせた絵ばかりだ。
80后 (バーリンホウ) の問題で、よそごとながら小さな胸をいためた当方にとって、ささやかななぐさめを与えてくれる絵なのである。
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