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2011年1月27日 (木)

簡単じゃない

若い友人と散歩をしていたら、たまたま公園の中のコンクリート橋のてすりをつけ変える工事をしていた。
彼はそれを見て、なんで政治家は無駄な公共事業ばかりに金を使うんでしょうねえ。
そんなくらいならホームレスの人たちのために、無料の宿泊施設でも作るほうがよっぽどいいんじゃないですかといいだした。
これは無責任な弱小政党に多い意見だけど、話はそんなに簡単ではない。

わたしは彼にいう。
たかがてすりの工事でも、工事を請け負った建設会社や、じっさいに作業をしている土工さんがお金をかせげる。
お金をかせいだ土工さんはスーパーで買い物をする。
するとスーパーの店員さんも助かる。
助かったスーパーの店員さんは、自分の給料を車のローンにつぎこむかもしれない。
こんどは自動車メーカーの社員が助かる。
そういうふうにお金は順繰りにあっちこっちにまわっていくだろう。

ホームレスの人たちのために無料の宿泊施設を作った場合はどうか。
たしかに寒さにふるえるホームレスの人たちは助かる・・・・・・
それっきりである。
ほんとうに必要なのはホームレスの人たちに仕事を与えることなんだけど、住まいがあっても仕事がないのでは話にならない。
だから公共事業にお金をつぎこんだり、企業に減税をして経営を助け、すこしでも仕事を増やそうという政策は、けっして無駄とはいえないんだよとわたしは若い友人に説明する。
もちろんバランスの問題だけど、公共投資や企業減税をわるくばかりいうのはちょっとねえと。

なんでこんなことを書いたかというと、わたしの年配の知り合いの中にも、この程度のことがわかってない人がいるからだ。
この程度のことを解説するなんて、わたしも池上彰さんみたいだな。

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