胃ガンの2
病院へいく。
胃ガンかどうか気になったので。
病院で待合室に置いてあった週刊誌を読む。
文春のエッセイで作家の椎名誠さんが、ビールをやめられず痛風になったとぼやいていた。
知り合いの痛風もちに電話したら、そうか、おまえもいよいよか、オメデトウといわれたそうだ。
こんな記事を読んで、むふふとほくそえんでいるのだから、わたしも相当に人がわるい。
ところで胃ガンだけど、人間の死に方としてはわるくないんじゃないか。
よく、理想的な死に方は、ある日とつぜんポックリいくことだなんていう人がいる。
しかしわたしみたいにマルタ島旅行を申し込んで、費用も払い込んだ人間が、出発直前にポックリいったらどうなのか。
これはくやしい。これじゃすなおに成仏できないぞ。
家も建てた、息子も成人した、いくらかの蓄えもできた。
さあ、定年後は晴耕雨読で、自分の趣味に生きるんだとはりきっている旦那。
会社をやめたとたんにポックリいったらどうするのか(じっさいにわたしの知り合いにそういう人がいた)。
奥さんはよろこぶかもしれないけど、本人は未練が残るよなあ。
それがガンで余命1年といわれた場合はどうなのか。
なにしろ1年ある。
貯金なんか全部おろしてしまってかまわない。
世話になった人たちにお別れをいう時間もたっぷりあるし、海外旅行も2、3回できるかもしれない。
芸者をあげてどんちゃん騒ぎをしたっていい。
野坂昭如さんの小説では、そうなったらワシ、恥も外聞もないわ。女子高生を強姦したるなんていう中年おやじが出てくるけど、そこまでやるのは乱暴としても、渋谷のハチ公まえ広場をまっ裸で走りまわってもかまわない。
意外とこういうこと、いちどはやってみたかったっていう人、多いんじゃないか。
えっ、わたしのこと?
胃ガンの可能性もないじゃないけどという診立てで、けっきょく何がなんだかさっぱりわからないから、来週は胃カメラを飲むことになりました。
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