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2011年1月 8日 (土)

カモメのジョナサン

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ここんところ鳥の写真ばかりだけど、うちの近所には冬になるとカモメもよくやってくる。
多摩川をさかのぼってくるとしたら、うちから東京湾まで30キロはあるぞ。
でもこんなことぐらいで驚いちゃいられない。

わたしは以前、群馬県の沼田のあたりで、川面をカモメが飛翔しているのを見たことがある。
ひたすら新潟のほうへ向かっているように見えたから、あれは三国峠を越えて日本海まで飛んでいったのかもしれない。
ひょっとすると平凡な日常に飽きたヘソ曲りのカモメが、未知の世界を求めて探検と冒険の最中だったかも。

ヘソ曲りのカモメといえば、むかしブームになった 「カモメのジョナサン」 が有名だ。
これはなんとかいう米国の作家が書いたカモメが主人公の本で、日本でも翻訳されたからもちろんわたしも読んでみたけど、平凡なカモメ生活に飽きたカモメが、カモメの新しい生き方を模索するという、ちょっと聞くとおもしろそうで、芸術作品にも思えてしまうというアホらしい本だった。
それでも挿絵がわりに写真がいっぱいついていたから、写真の好きなわたしの書斎にしばらく置いてあったけど、その後の定期的な本箱粛清で、ゴミ箱にたたっこまれていつのまにか姿を消した。

カモメというのは馬鹿なのか利口なのか (たぶん馬鹿なんだろうけど)、世間づれしていてあまり人間をおそれない。
うちの近所でも野鳥にエサをやる人がいて、それが目当てなのか、エサなんかやる予定のないわたしの周辺をひらりひらり。
沼田のあたりで見かけたカモメは、こういうエサひとすじの生き方とは一線を画し、新天地をめざしたヘソ曲りのジョナサンだったかもしれない。
うん、なんか共感を感じてしまうなあ。

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