新傾向
アフリカ、中東で始まったドミノ倒しは、ちょっとおもしろい。
いや、人が殺されているのがおもしろいというわけじゃなくて、これまではこういう騒動が起きると、東西陣営、南北でもなんでもいいけど、かげで糸を引いていると、大国同士が口をきわめて相手を非難するのが常だったのに、今回はそうならないようだから。
バーレーンやサウジに変革の波が押し寄せると、米国は中東で貴重な同盟国を失うことになりかねないし、中国だってドミノが自国に及ぶんじゃないかと戦々恐々。
日本や欧州だって、石油が値上がりしては困るという考えの国ばかりだし、むかしは黒幕の常連だったソ連、もといロシアだってそうだ。
世界中のほとんどで、この混乱に頭を痛めていない国があるだろうか。
かげで糸を引きそうなイラン、ぜんぜんそんな可能性のありそうもない北朝鮮だって、騒乱が自分の国に伝わってくるんじゃないかと火消しに躍起。
こう考えると、かげで糸を引く国が見当たらないという点で、今回の騒動はかなり特異である。
大国のおもわくによらない、真に民衆の自発的な闘争ということになるか。
そもそものきっかけが、ツイッターやフェイスブックだったってことだから、インターネットがもたらした新しいタイプの改革ということになるのだろうか。
独裁者たるもの、これからは政権を奪取する、軍隊を掌握する、議会を自分の子分でかためるなんて従来のやり方ではなく、まったく新しい独裁方法を考えないことには、いつ統治がゆらぐことになるかわかったもんじゃない。
自分に都合のいい独裁は容認するというダブルスタンタードも通用しなくなり、米国の衰退がとまらないこともはっきりしたようだ。
これはよろこぶべきことなのか。それともそんなに期待すべきじゃないことだろうか。
わあーっと盛り上がって、政権を交代させちゃって、あげくに新しい政権に失望しちゃっている日本みたいな国もあるし。
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