マルタ紀行/幸福な島
EUの支援とおせっかいで道路はよくなったものの、ガイドのYさんの説明によると、この国では公共事業にあまりお金を使いませんとのこと。
小さな島なので、鉄道や高速道路は必要ない。
険しい山や大河があるわけじゃないし、台風もないので、日本で問題になっているダム建設など不要だし (地震はあったそうだ)、そもそも災害に備える必要がないのだそうである。
気象も温暖で物なりもよく、生活がしやすいので、人々があまり金銭に執着しない。
税金は所得の30~45パーセントぐらいで、けっして安くないけど、福祉先進国の北欧諸国ほどではないし、そのうちの 10パーセントは年金に充てられるから、国民も文句はいわないのだそうだ。
英国の影響で労働者の権利意識が高く、労働時間は厳守、残業もほとんどない。 これは、じつは企業に残業代を出す余裕がないからだってことだけど。
日曜出勤は倍の給料を支払わなければならない規則で、そういえばこの日のYさんも日曜出勤である。
家族はデ・シーカの映画なんかによく描かれるイタリア式大家族主義で、たまたま子供のできない夫婦がいた場合、アフリカあたりから養子をもらうことがふつうに行われている。
どんな子供でも平等に育てられるべきだという考えが徹底していて、養子が黒人の子であってもいっさい差別はしない。
マルタの人々は本当にゆたかなこころで生きていますとYさんはいう。
聞いていると確かに、マルタというところは天国みたいに思えてくる。
幸せですかと訊かれてはいと答える国民は、大発展をとげた中国でさえ数パーセントしかいないそうだけど、マルタの数値はかなり高そうだ。
問題があるとすれば、いま世界を席巻しているグローバル化の大波というやつで、人間の欲望を目覚めさせるこの波が、マルタを浸食することはないだろうかと心配になる。
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