マルタ紀行/マルタ人気質
バスで移動中、ガイドのYさんからいろいろ説明がある。
マルタには唯一の賭けごととして、英国の影響による競馬場がありますとのこと。
サマセット・モームの小説で揶揄されているように、英国人は伝統や慣習にこだわり、どこにでも競馬場をもちこむ人種である。 香港にも上海にも。
上の写真はウェスティンホテルのとなりにあるカジノだけど、こちらはふつうのマルタ人が入れるところではなさそうだ。
はたしてマルタ人がどのくらい競馬に熱中するかは聞きもらしたけど、彼らが熱中するものはほかにあるらしい。
Yさんが畑の中にある民家をさして、あれは花火工場ですという。
花火というのは想定外だったけど、マルタの人は花火が大好きだそうだ。
ブラジルの人が年にいちどのカーニバルで散財してしまうように、こちらの人も花火で派手に金を使うらしいから相当のもの。
年に数回は花火大会が盛大に催されるというし、これは騎士団のころからあるそうだから、伝統も日本の隅田川にひけをとらない。
盛大なのはいいけど、つい最近までマルタの田舎の道路は舗装もされてないひどいもので、加盟しているEUから苦情がきたそうである。
それでも道路の舗装に金を使うくらいなら花火のほうがいいというのがマルタ人だったそうだ。
Yさんがそんな話をすると、ツアー客のあいだから苦笑がもれた。
あんまり他人のこといえないなと、どこか似通った性格に思い当たったのかもしれない。
マルタでは男女の交際について欧米先進国ほどオープンではない。
若者が彼女をデイトに誘う場合、うちの村の花火を見にこないかと誘うのだそうだ。
花火には村中の人間が集まるから、ていのいいお見合いである。
そうやってじれったい手続きを踏んで、ようやくハッピーエンドになるらしい。
なかなかいい話ではないか。 「セックス・アンド・ザ・シティ」 の米国なんかに比べれば。
空港のそばにはドライブスルー形式のマック (米国のハンバーガー屋だ) があった。これもマルタで唯一のものであるという。
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