矛盾
クレーン車が児童6人を死亡させた交通事故があったばかり。
亡くなった子供たちはかわいそうだと思う反面、どうも容疑者の若者を責める気にもなれない。
居眠りするような状況ではないから、この若者はなにか病気をもっていたらしいけど、そんな人間がどうして車の運転をするのかと文句をいうのは簡単だ。
しかし、とくに学歴もない、技術もコネもない若者に、職業の選択肢がたくさんあったとは思えない。
ひとりで生きるためにクレーン車の免許をとり、仕事はまじめにやって、自家用車なども持っていたところをみると、彼は彼なりに精いっぱいがんばっていたのだろう。
病気をもっていることを告白すれば、いっきょに仕事を失うことになり、この不景気な時代に、それこそホームレスにでもなるしかない。
これも常識で解決できない社会の矛盾のひとつ、白熱教室のサンデル教授が取り上げたくなるような難問ではないか。
わたしはこの若者に同情してしまう。
こんなジョーシキ論みたいなことを書くのも、テレビで観た彼の顔、そしてその生き方が、どこか若いころのわたしに似ているように思えたからだ。
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