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2011年4月14日 (木)

マルタ紀行/路線バス

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マルサシュロックからの帰りは路線バスに乗った。
英語のわからないわたしだから、乗るまえにいろいろ考えた。
大きな都市から地方の小都市にいくバスを見つけるのはむずかしくっても、その逆ならたいしたことはないだろう。
マルサシュロックを出るバスは、そのほとんどが首都のヴァレッタへ向かうにちがいない。
問題は混雑している場合、わたしみたいな人間がもたもたして運転手や乗客に迷惑をかけることだけど、朝夕のラッシュ時間帯の首都圏ならともかく、マルサシュロックのような田舎町でそんな混雑があるとは思えない。

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そういうわけで自信をもってバスに乗ることにした。
予想どおりバスはがらがらだった。
わたしは 「ヴァレッタ、OK?」 と必要最小限度の言葉を発し、手のひらに小銭に載せて運転手にさしだした。
バスの料金なんてさっぱりわからないけど、フェリーに乗ったときと同じで、この方法なら運転手が勝手に必要な金額をとってくれるのである。

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1番上の写真はバス停のようす。
やってきたのが上から2番目の写真のバスで、グロテスクだけど、新車に見えなくもない。なかなか楽しいバスではないか。
いちおうワンマンバスだけど、機能一点ばりの先進国のバスとかなりちがうから、こういう点ではなかなか興味深い。
3番目から7番目までの写真はバスの内部。
運転席の横の赤い箱は料金箱。
天井に2本のひもがはられていて、降りるときはこれを引っ張るとブザーが鳴るようになっていた。
運転手はいかにもベテランという感じの大きなおじさんで、私服のままで仕事をしていた。ネクタイは運転席のわきにかけてあった。
そのおおらかさが、絶大な安心感とどこかほのぼの感に満ちている。

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エアコンなんかついてなかったから夏はそうとうに暑いだろうけど、日本の原発事故とその後の電力不足を思えば、こっちのバスのほうが省エネに配慮した未来志向の車じゃないかと思う。
因果関係をずるずるとたどっていくと、エアコンがなければ我慢できないという国民をかかえた国では、原発は必要悪ということになってしまう。
そういう国で原発反対を叫ぶのはオカシイということになってしまうのである。
今年の夏の日本では節電がおおいに問題になるだろうから、せめて空気のよい田舎では乗り物はエアコンを使わず、マルタのバスのようにすべての窓、そしてドアまで開けっ放しにして、さわやかな天然クーラーを最大限に活用しながら走ったらどうか。

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最後の3枚の写真はバスからながめた景色。
「田舎のバスはおんぼろぐるま」 って歌がこぼれちゃうようないい景色。 これで若い娘の車掌がいればいうことなしなんだけど。

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