再建設計
コンビニでひさしぶりにフォーカスを見つけた。
それが毎週発行されていたころは、欠かさずに購読していた新潮社の写真週刊誌である。
今回は震災と津波を特集した緊急復刊号だ。
このブログの3月16日の記事でふれたけど、写真やドキュメンタリーに関心のあるわたしは、すぐにでも現地へ駆けつけたいと思った。
思っただけで断念したけど、焦燥感はいまでもある。
世間の報道カメラマンの多くにとっても、今回の災害にはかりたてられる何かがあったようで、フォーカスの現地報告はじつに生々しい。
現地からの写真をじっと見ていて思ったんだけど、まるで空襲直後のようにさら地になってしまった町の中に、ぽつんといくつかのビルが残っているものがある。
このへんは専門家に分析してもらうことにして、頑丈な鉄筋コンクリートの建物は津波に耐える可能性もあるってことのようである。
大津波のあと、もうこんなところには住めない、もっと高台に住宅を造ってほしいという声が聞こえるけど、海の近くというのはいろんな意味で生活しやすいところだから、このままあと4、50年も災害がなければ、のどもと過ぎれば熱さ忘れるっていうやつで、またぽつりぽつりと海に近い平地に民家が建つことになるんじゃないか。
いくら津波がコワイといっても海に近い土地を利用しないというのでは不経済だ。
わたしみたいな素人がいうべきことじゃないだろうけど、発想を転換して、積極的に海の近くに住むようにしてみたらどうか。
新しい町や都市の再建設計では、海の近くに耐津波補強(耐震補強以上の)をした、10階建てぐらいの頑丈な高層ビルをいくつも建てる。
形は円筒形にすれば津波の衝撃を緩和することができるから、この形がのぞましい。
建物の内部はスロープや耐水補強をしたエレベーター、エスカレーターなど、老人病人の移動に配慮したものにし、屋上にヘリポートを備えて、万一のさいの避難や支援に役立てるようにする。
高層ビルなんかいやだという老人や、平地に住みたいという人が一軒屋を建てるのは自由だけど、いざという場合、どこの民家からでも10分以内にこうしたビルに逃げ込めるよう、ビルを等間隔に配置する。
ビルの下のほうは商業施設とし、上のほうは住民の生活空間にすれば、ムダな箱モノということにならないし、基本的に円筒形である以外は、デザインは自由ということにすれば、まったく新しい未来的景観が生まれるんじゃないか。
こういうことをお上が強要すると、そりゃ社会主義だなんて騒ぐ人があらわれるかもしれないけど、そういう人には積極的に海から近い、津波に直撃されそうな土地をあてがっておけば、つぎの津波で一掃されるだろうから、世の中まるく収まって、うん、これはいいアイディアだ。
・・・・・・これ以上書くと無責任な提言と思われてしまうから、このへんでやめておくけど、海の好きなわたしは、海に近いという利点を放棄するのをあまりにもったいないと思うのである。
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