被災地への旅/宿探し
この日はどこかで泊まるつもりだったけど、東京を出るとき、どこも宿の予約をしてなかった。
なんでも被災地では観光客が激減して、業界も困っているそうだから、なんの、ホテルなんぞ行き当たりばったりで不自由しないだろうと思ったのである。
ところが、まず被災地では海辺のホテル、民宿などが壊滅状態だ。
大船渡の近くの高台にある、無事だったビューホテルでことわられ、釜石市内のわりあい海からはなれた宿へ行ってみたら、やっぱり震災のために休業していた。
なんといってもすでにゴールデンウィークが始まっているのである。
うーんと考えたすえに、釜石から50キロほど離れた遠野市に行ってみることにした。
遠野は 「遠野物語」 で知られた観光地だから、ここなら宿はたくさんあるに違いない。
そういうわけで遠野に着いたのが午後の4時すぎ。
最初に南部神社のすぐ下にある大きなホテルへ行ってみた。
大きなホテルなら部屋数も多いだろうと思ったけど、フロントで尋ねると、最高級のVIPルームしか空いてませんという。しかも朝食だけしかつかなくて、えらく高いことをいう。
ほかに当たってみますといって、駅の観光案内に行ってみたら、こちらでは格安のユースホステルがひとつしか空いてませんという。 しかも相部屋だそうだ。
いよいよとなればなんだっていいけど、いよいよとならないうちは、わたしもなかなか往生際がわるい。
わたしが男性のひとり旅だから敬遠されているのかもしれないと思い、駅前の小さな旅館をちょくせつ訪ねてみた。
旅館のおかみさんはなかなか親切で、車で30分ほど離れた温泉なら空いているかもしれないといい、わたしの目の前でわざわざ電話してくれた。
しかし、やっぱり空いてないというから、敬遠されているのではなさそうだ。
わたしにはVIPルームかユースホステルかの選択肢しかないということになってしまった。
で、どっちへ泊まったかなんてことはどうでもいいけど、翌朝わかったことは、遠野市あたりにもボランティアが大挙して押し寄せてきているということ。
朝食のときにわたしのまわりでメシを食っていた男女は、関西からきた消防団員たちのグループだった。
自衛隊も市中にたくさんの部隊が駐屯していたから、ま、わたしの出る幕じゃなさそうである。
写真は、いちばん上が遠野市の俯瞰、つぎの2枚は早瀬川の河川敷で見た小隊規模の自衛隊で、このほかに運動公園には補給部隊も含めたもっとずっと大規模な部隊も駐屯していた。
ひと休みついでに、遠野から釜石までの区間で見かけた、こころが癒されるような素朴な農村の写真も3枚ばかり紹介してしまう。
このあたりはまだまだサクラが満開だった。震災なんてどこにあったの?ってなモン。
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