被災地への旅/成田の湯
気仙沼から北上すると、最初にあらわれる大きな街は陸前高田である。
陸前高田のすこし手前で、街のはずれの高台に無傷のお寺があるのが見えたから、ちょいと寄ってみることにした。
無傷といってもそれは本堂だけで、石段の下の大きな石碑はぽっきり折れて転がっていた。
石段のとちゅうまで生垣が茶色く変色していたから、津波がどこまで到達したかわかった。
お寺の境内ではサクラがまだ花盛りだった。
境内は避難所になっていて、ちょうど炊き出しの準備をしていた。
わたしの顔がよっぽど物欲しそうにみえたのか、地元民らしいおじさんが、昼から餅つきをするから食べにきなという。
これではどっちが被災者かわからない。
石段の下の駐車場には青いシートでかこったお風呂場まで設置されていた。
ごていねいに 「成田の湯」 なんて看板までついている。
お湯はどこかから汲んでくるんですかと尋ねると、おじさんが自慢そうに、ほれ、ここにストーブがついているだろうと、東北なまりの多い言葉で説明してくれた。
お寺の石段からみると、さらに津波のすさまじさがよくわかる。
遠方に川が流れていて、河口に巨大な水門のようなものが見えたけど、それは津波に対してまったく無力だったようだ。
くわしい説明はまた写真ではしょってしまう。
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