被災地への旅/鉄路の果て
陸前高田からさらに北上を続ける。
とちゅうの水田の中にも漁船がころがっていた。
なかなか物なりのよい恵まれた農村にみえるけど、海水がここまで到達したのでは、当分農業はできないのではないか。
皮肉なことにこのあたりは 「豊穣の郷」 というそうで、そう書かれた岩手県の知事さんの碑が立っていた。
車を停め、まだ建設中のバイパスだったらしい橋の上から、上流、下流をながめてみた。
上から3番目と4番目の写真がそれだけど、海側も陸側も見渡すかぎりの瓦礫の原である。
大きさの比較になるものがないのでスケールがわかりにくいけど、よく見るとドラム缶や、盛り土を失って浮き上がってしまった線路などが写っている。
このあたりにJRの線路があって、それはいずれの方向にも分断されていた。
線路上にはゴミが散乱し、レールはまっ赤にさびつき、ぐんにゃりと飴のように曲って田んぼの中に消えている。 ちょっとシュールな光景である。
消えた先が星の世界ならそれこそ銀河鉄道なんだけどと、わたしはまたこの地方が宮沢賢治のイーハトーブの舞台であることを思い出す。
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