幸福の赤いバス
タイトルを見たときはボリウッド製のお気楽ミュージカルかと思った。
なんだかよくわからないけど、すごい美女やヒゲづらの男たちが右往左往するから、やっぱりインドの映画かと思った。
しかし、どこかちがう。なんかちがう。
で、調べてみたらレバノンの映画だという。
昨日BSで放映された 『ボスタ! 踊る幸福の赤いバス』 という映画のことである。
なんだかよくわからないけど、すごい美女やヒゲづらの男たちが右往左往するから、やっぱりインドの映画かと思った。
しかし、どこかちがう。なんかちがう。
で、調べてみたらレバノンの映画だという。
昨日BSで放映された 『ボスタ! 踊る幸福の赤いバス』 という映画のことである。
観始めてすぐは、なにがなんだかよくわからなかった。
ダブケというレバノンに伝わる民族舞踊を、現代的にアレンジしたショー団体が、おんぼろバスに乗ってあちこち巡業してまわるという物語なんだけど、踊りをおどる役者たちがみんなあきれるくらいヘタクソである。
アメリカにはストリートダンサーにさえ、超人的な技巧を見せる踊り手がごろごろしているっていうのに。
しかも踊り手たちが、ただひとりの美女をのぞいて、人妻だとかおデブちゃんだとか、ふつうの家庭のオヤジや医学士崩れだとか、どいつもこいつもロクなもんじゃない。
こんなダンサーたちがコンテストに出場して、もちろん落選する。
ヤケになった彼らはおんぼろバスで地方巡業に出るのである。
地方の舞台というのが、結婚式場だったり、小学校の庭に仮設のステージだったりと、これじゃあ昔の日本にもあった田舎芝居を見せられているようなものだ。
しかしこの映画はわるくない。
劇的な場面も刺激的なシーンもないし、ただひとりの美女だけが主役ってわけでもないけど、ダンサーたちのもめごとや心情が、ユーモアをまじえ淡々と描かれていて、観終わったあとほのぼのとさせられる映画である。
わたしは外国に興味があるので、背景にも注目していたけど、戦乱に明け暮れている国という印象のレバノンに、まだこんな素朴な人々が生存しているということを知るのも楽しい。
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