
翌日に出直してまた国技館へ。
今度は前売りを買ってあるからすんなり入れた。
せっかくだから国技館の中を見物しようと、まず館内をうろうろ。
相撲博物館なんてものがあったけど、そんなものを見始めたら高見盛の取り組みを見逃しそうなので、みやげものショップや相撲茶屋がずらりと並んでいる一画などを観て歩く。
相撲茶屋というのは、観客をマス席まで案内したり、飲食物を席まで届けたりするのが商売だそうで、高砂屋だとか三河屋だとか四ツ万だとか、いかにも伝統のありそうな屋号がついている。
2階席のわたしは茶屋に縁はないし、うっかり利用すると、しきたりだのご祝儀だのメンドくさいことがたくさんあるそうなので、写真を撮るだけにしておいた。
館内の見物を終えて2階席に行ってみた。
飲食もOKだそうなので、缶ビールとピーナツを持ち込む。 マス席で幕の内弁当を食べたかったけど、イス席では弁当を食べるほどのスペースはない。
わたしの席は2階の最前列だったので、ながめはよかった。 国技館の内部が一望である。
さすがにでっかい。
でっかいのはいいけど、大きなパノラマ画面を見ているようで、しかもお相撲さんが取ったり転がしたりと、動きがあるのはその中心の小さな部分だけなので、すぐに飽きた。
で、持参した双眼鏡でつまらないことを観察する。
テレビを観ていると、本番まえに力士がタオルでぐいっと顔をぬぐうけど、あのタオルはいちいち交換してるのか、だとすればどうやって補充してるのか、ちから水をつけてもらった力士がガラガラペッと水を吐き出すけど、どこへ吐き出しているのか、バケツでも用意してあるのかなんてこと。
じっと見ていると、いちど使ったタオルはそれを使った力士が持って帰るようである。 つぎのタオルはちから水の桶のふたの上に並べてあった。
口に含んだちから水は土俵のわきに丸い菅が埋め込まれていて、そこに吐き出すようになっていた。
この日は中入り前の審判席に、もと横綱の貴乃花が座っていた。背すじをぴんとのばし、座禅を組んでいるように微動だにしない。
えらいもんだと感心していたら、そんな貴乃花のところへ、土俵上から相撲取りが吹っ飛ばされてきたことがあった。
相撲取りも大変だけど、審判も大変である。

相撲にそれほど興味があるわけではないわたしにとって、この日の取り組みで関心があったのは、まずタレント力士高見盛の一番。
しかし彼は、登場するときは元気がいいけど、あっけなく負けて引っ込んでしまった。
つぎに関心があったのは、ソップ型力士の隆の山とアンコ型力士臥牙丸の対戦。 なにしろ体重差100キロの勝負だから、隆の山が勝つとおもしろかったのに、こちらも順当に負けてしまった。
2階席には外人の客もちらほらしている。
欧米人は格闘技に体重差があるのはケシカランといって、すぐにクラス分けをしたがる人種だから、隆の山と臥牙丸の対戦なんてどう思っていたのかしら。
わたしの背後に大声で応援しているおじさんがいて、取組表を見ながら、つぎはタマヒドリかなんていっているのが聞こえた。
タマヒドリじゃなくてタマアスカ (玉飛鳥) でしょうと教えてやりたかったけど黙っていた。
中入り後になると、土俵下でつぎの出番を待つ幕内力士は、みんな敷布団みたいに大きな座布団に腰をおろしている。
この布団はそれぞれの力士に専用のものがあるらしく、取り組みの合い間に付け人がえっさえっさと運んでいた。
そのうち場内が大歓声になった。
全勝の稀勢の里と巨漢把瑠都の対戦で、この日いちばんの大取り組みである。
懸賞がたくさんつくかと思ったら、そうでもなくて、懸賞がいちばんついたのは横綱白鵬の取り組みだった。
白鵬のほうは横綱が強すぎてあまりおもしろくない一戦だったから、やはり稀勢の里のほうにたくさんつけるべきじゃないのかとすこし不満。
そんな稀勢の里も負けてしまい、大きな番狂わせもなく、角界一のハンサム力士琴欧州もこの3日まえから休場だし、ちょっぴり不満を残したままわたしの大相撲観戦はおしまい。
※写真は上から、わたしの席からのながめ。 行司さん。マス席。 幕内力士の土俵入り。 ソップ型。
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