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2011年9月23日 (金)

釣りとグルメ

わたしは釣りをやらないし、食通 (グルメ) でもない。
そんなわたしと対極にいるのが作家の開高健サンで、彼は本を書くほどの釣りのベテランだし、食べ物についても上品下品なんでも食べるホンモノの食通である。
そんな作家とわたしを結びつけるのはやはり読書だ。
わたしはこの人の 「オーパ!」 や 「もっと遠く」 などの釣り紀行を全部読破したほどの、開高作品愛読者なのである。

この釣り紀行は世界の辺境をめぐる旅の話であり、さまざまな動植物が登場する博物誌でもある。
そういう点では釣りもダメ、食べ物もダメだけど、旅が大好きで自称ナチュラリストというわたしの嗜好と一致するのである。
「オーパ!」 の中に、「一生幸せになりたかったら釣りをおぼえなさい」 という言葉が出てくる。
わたしは釣りの代わりに人一倍の好奇心というやつを持つことで、まあまあ文句のない人生を送っているのだ。
こういう人ってけっこう多いんじゃないか。
書斎にこもりながらも、体中の全触覚がつねに外界のあらゆる方向に向いているって人が。

昨夜のNHK-BSで、開高作品のうち、上記の釣り紀行をなぞるという番組が放映された。
作家本人はとっくに亡くなっているけど、本に描かれたベーリング海の釣りのようすや、獲物を料理する場面をぜひ映像で観たかったので、さっそく録画。
獲物というのはオヒョウ、現地ではハリバット、小説の中ではビースト (野獣) という表現さえされている巨大なカレイである。
なんだ、カレイかというなかれ、こいつの最大のものは3メートルにもなって、ダブルベット・サイズなんていわれ、暴れるとすこぶる危険、散弾銃でとどめをさしてから引き上げたこともあるというから、やっぱり野獣である。

残念ながら番組の中に釣りのシーンはなかった。
作家が亡くなっているのだからこれは仕方ないけど、そのかわり作家のオヒョウ釣りに同行した調理師が登場して、当時と同じオヒョウの料理 (姿造り!) を再現してみせる。
これはつまり、巨大なカレイの刺身で、観ていてよだれが出てきた。
ひょっとするとわたしも潜在的なグルメなのかもしれない。
たとえばフランス文学やフランス文化にまったく無知なくせに、ワインと料理とブランド商品だけは詳しいなんてミーハーよりは。
わたしに世界中のあらゆる料理を食べる機会を与えてくれさえすれば、わたしもきっと埋もれた才能を発揮できるのにと残念に思ってしまう。
ダメかしら。

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