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2011年9月 7日 (水)

楼蘭の美女

世界の三大美女というのがある。
クレオパトラと楊貴妃と楼蘭の美女である。
3番目の美女はわたしが勝手につけ加えたものだけど、なんでそんなことをしたかっていうと。
わたしが持っているもうひとつのブログはシルクロードの紀行記が大半をしめる。
そのブログに、やはりシルクロードに凝っているらしい人からトラックバックがついた。
この人も中国の新疆ウイグル自治区で楼蘭の美女を見てきたようで、その美しさを手放しで賞賛している。
あんまり手放しされると、ついいちゃもんをつけたくなるのがわたしの性格だ。

楼蘭の美女とは何者か。
彼女はタクラマカン砂漠の一隅、ロブノール湖畔に存在した古代都市・楼蘭の遺跡から発見されたミイラで、およそ3800年前の人物とされる。
三大美女のうち、まえの2人については、存在そのものは確かでも、残された絵や彫刻はすべて後世の作で、じっさいに彼女らがどんな顔をしていたかということは想像の域を出ない。
ところが楼蘭の美女は、現代のわたしたちがそれをじっさいに見ることができるのである。
できるといってもなんせミイラ状態であるから、どっちかというとホラー映画の主役がふさわしく、これを美女とみなすのはそうとうの想像力がいる。
博物館で楼蘭の美女と対面してきたわたしも、彼女が美女であることを信じるけど、これはロマンチックな願望も半分くらい入っているのである。
現実を直視してみよう。

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遺跡から、当時としては最大限に丁重な葬られ方で発見されているところからして、彼女が女王か権力者の妻であったことはまちがいがない。
とすれば美女であったこともほぼまちがいないと思われる。
容姿については 「眼は深く、鼻は高く、髪は黄褐色。明らかにヨーロッパ系の人種である」 というのが定説だ。
鼻すじがとおっているのは事実だけど、目は深くというのはハテネ。
ミイラというのは眼孔が落ち込むのがふつうだから、典型的日本人のわたしだってミイラになれば欧米人なみにほりの深い顔になるんじゃなかろうか。
ほっぺただってずいぶんこけるはずだから、鼻すじだって生前よりもいくらか高く見えるかもしれない。
太めの人だって、ミイラになれば、なんせ日干しなんだから生前よりずっとスマートになるに決まっている。
楼蘭の美女の死亡推定年齢は40代であったとされる。
当時の平均寿命からすると、これはそろそろ老人であるといってもおかしくない。
これらをかんがみると、彼女は土屋アンナや滝川クリステルよりかは、エヴァ・ガードナーのような大年増というほうが適切である。

ついでにいうと、ハリウッド製のスペクタクル史劇の影響で、古代都市というとギリシアやローマみたいに壮大なもの想像してしまう人がいるかもしれないけど、そんな昔の辺境の砂漠に石組みの巨大な建築があったはずがない。
日本でいえば卑弥呼の時代もそうだけど、当時の都市なんて、村に毛がはえたていどのもんじゃなかったろうか。
パゾリーニの 「アポロンの地獄」 という映画を観ていたら、じつに素朴なギリシアの古代都市が出てきて、これは予算がないからじゃなく、これがじっさいだったんだろうと目からウロコが落ちた思いをしたことがある。
ロマンは大切だけど、科学は冷徹に判断しなくちゃ。

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