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2011年11月 8日 (火)

にあんちゃん

001

録画してあった 「にあんちゃん」 を観る。
はるかむかし、先生に引率されて、ションベン臭い映画館で観たおぼえがあるけど、内容はほとんどおぼえていない。
それで映画を観ながら、ネットであらすじ、背景などを調べてみた。
この物語は佐賀県にある入野中学校 (今の肥前中学校) に通っていた貧しい兄妹を描いたものだそうで、その学校のホームページに 「にあんちゃん」 の説明がある。
映画を録画してない、本も読みたくないという人は、このホームページの記述がわかりやすくていいから読んでみたらどうか。
http://www2.saga-ed.jp/school/irino-es/nian/nian-jr.html

じつはわたしは、左翼イデオロギーや貧乏生活を押し出したような映画が好きじゃないけど、これは高度成長期、そして産業エネルギーが石炭から石油に代わるころの、不安定な炭鉱労働者たち、その家族を描いた社会派映画である。
しかし描かれているのは悲惨なことばかりではない。
小学生の兄妹が川で水浴びしたり、トロッコでボタ山に登ったり、走っているバスはなつかしいボンネットバスだしと、まだ牧歌的といえる夢のような時代がそっくりフィルムに固定されているのである。
昭和34年の映画だから、団塊の世代にとっては、例によって当時の風物になみだがちょびる。
主人公の女の子は在日朝鮮人だそうだけど、貧乏にまけないけなげな姿勢や、この時代にはまだ現代のような陰湿ないじめがなかったようなのが救いだ。

それにしても映画に出てくる貧乏な家庭の家の中のようすは悲惨につきる。
わざわざ映画用に強調したわけではなく、当時はこんな家庭がいくらでもあったのだろう。
NHKのゲゲゲの女房にこの時代の貧しい家庭のようすが描かれていたけど、そっちはどことなくウソっぽいのに比べ、この映画の貧乏というのは本物だ。
高度成長のかげにはこんな悲惨な労働者たちがいたのだと、現代だからこそ観てほしい、知ってほしい物語ではないか。

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