サクリファイス
タルコフスキーはわたしのニガ手な監督のひとり。
なんでかって、とにかく暗い。
クラすぎるのである。
初期の作品 「僕の村は戦場だった」 も暗いけど、これはまあ、ちゃんとしたストーリーがあって、内容も暗い作風がぴったりっていう映画だったからがまんできるけど、だんだん観念的なひとりよがりの作品が多くなってきた。
閉口。
今日放映されたのは彼の晩年の作品 「サクリファイス」。
レンタルビデオで観たことがあるけど、冒頭からもうやたらに暗い。
暗いばっかりでさっぱり意味がわからない。
わかろうと努力する以前の問題で、最後まで観ようって気にぜんぜんなれない映画だった。
こういうのを芸術映画だってもてはやす人も多いらしいけど、映画なんだからまず観たいという気をおこさせないようなものは、それだけで失格じゃないか。
それでもこの映画で得たものがひとつ。
タイトルバックに流れるバッハの 「マタイ受難曲」 のアリアである。
わたしはこの曲をこの映画ではじめて聴いたんだけど、その絶望的なまでに悲しい旋律にいっぺんでとりこになってしまった。
こんなすてきな音楽があったのかと教えてくれた映画。
「サクリファイス」 についてはそれしかない。
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