豊田章男サン
右翼雑誌SAPIOが図書館に置いてあるってことは、ちょい前のこのブログに書いたばかりだけど、ぜひ置いてほしいのに置いてないのは 「CAR GRAPHIC (以後CG)」 だ。
車を扱った本のしにせだけど、なんで図書館に置いてないんだろう。
扱っている内容がベンツやポルシェやBMWのような外車が多くて、図書館を愛用する庶民にとってはあまり実用的じゃないというのだろうか。
しかしこの雑誌の読者は現実に外車に乗っている人ばかりとはかぎらない。
CGのポリシーは、たとえばわたしみたいな貧乏人に、買ったつもり、乗ったつもりの夢を見させてくれるということなんじゃないか。
そういう本がひとつぐらい図書館にあってもいいんじゃないか。
高級車に縁のない当方としては、読んでいるだけで楽しい本だし、自分で購読するには高価すぎる雑誌なのである。
何号かまえのCGにトヨタの豊田章男サンの記事が載っていた。
この人は創業者のひ孫にあたる人だけど、社長 (CEOともいうらしい) に就任したとたん、例のプリウスのリコール問題で米国に謝罪行脚という試練にあった。
おかげでだいぶ人間も揉まれたようで、会社の金をばくちにつぎこんだどこかの御曹司に比べると、なかなか謙虚な人柄のようである。
章男サンは “モリゾウ” という名前でブログを持っている。
大トヨタの社長がわたしみたいに八方破れなことを書けるわけないから、たぶんつまらないブログだと思うけど、それを通じて、たとえばわたしみたいな庶民がちょくせつトヨタの社長と会話することも理論的には可能だ。
こんな経営者はホンダにもいなかった。
なかなかユニークな経営者だと思うけど、もうひとつ、この人の趣味は自社の車でレースに出ることである。
レースの監督ではなく、ドライバーとしてレースに出てしまうのである。
もともとそんな才能があったというわけではなく、車メーカーの社長として車のことをもっとよく知りたいと考え、プロのレーサーについて手取り足取り教えてもらったというから見上げたこころざしだ。
本田宗一郎さんもそこまではやらなかったゾ。
章男サンがニュルブルクリンクのレースに出場したとき、同じレースに出ていたアストンマーチンのCEOであるウルリッヒ・ベッツさんと意気投合し、アストンがトヨタのiQというチョロQみたいな車を借りて、自社ブランドのシグネットなんて可愛い車を作ることになったなんてエピソードも楽しい。
かって記事より宣伝のほうが多いなんて揶揄されたCGも、現在では社会の動きを知るためになかなか役に立つ本になっているのである。
ぜひ図書館に置くべし。
※添付した画像はアストンマーチンのシグネット。
高性能なスポーツカーで知られるアストンがはじめて作ったミニカーだけど、フロントグリルのまわりはちゃんとアストンを主張しています。
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