清明上河図
今朝の新聞の1面に大きく 「神品、日本へ」 とあった。
なんのことやらと思ったら、故宮博物館の収蔵品である 「清明上河 (せいめいじょうか) 図」 という絵巻物が日本にやってくるのだそうだ。
なるほどと納得しつつ、またあまり役に立たないことを思い出す。
むかし中国にしょっちゅう出かけていたころのこと。
あるとき3週間ほどかけて、西安につぐ中国の古都・洛陽へ行くことにした。
洛陽だけでは時間があまるので帰りに鄭州という街に寄ることにした。
鄭州なんて街の名前は聞いたことがなかったけど、ここは河南省の省都であるから大きな街らしい。
鄭州に寄ってもまだ時間があまりそうなので、どこか寄れるところはないかと地図をながめて、開封という街に目をつけた。
当時は知らなかったけど、ここも西安、洛陽とならぶ有名な古都なのである。
そんなわけで開封の街をぶらついてみた。
この街のホテルでは、バスルームの赤い蛇口から水、青い蛇口からお湯が出るという国際常識を無視した体験をしたし、なにを間違えたのか夜中にオカマが訪ねてきたりしたけど、そんなことはさておいて。
この街に鉄塔というお寺があり、観光ポイントらしいので出かけてみた。
鉄塔というから鉄でできているのかと思ったら、やはりレンガの塔だった。 外壁のレンガにこまかい文様が描かれていて、遠方からみると鉄さび色に見えるから鉄塔というらしい。
みやげもの屋の女の子をからかいながら歩いていると、どの店でも、コレ買えといって小さな絵巻物のレプリカを見せる。
そのころのわたしは中国について、その歴史を真剣に勉強したわけではなく、興味のあるところだけをあっちこっちからかじるみたいな状態だったから、まだ「清明上河図」なんてさっぱり知らなかった。
帰国した直後にNHKが放映した 「故宮/至宝が語る中華五千年」 というドキュメンタリーを観た。
この番組は中国の歴史を基本から勉強するのにひじょうに有益な番組で、わたしのシノロジー (中国学) はこの番組によって新しい段階に入ったといってもオーバーじゃない。
このシリーズの8回目の副題が「夢の都・北宋」で、そこに行ってきたばかりの開封と、「清明上河図」 が紹介されていた。
「清明上河図」 というのは、繁栄をほこった北宋時代の開封を描いた絵巻である。
レプリカはせいぜい50センチぐらいだったけど、実物は5メートルもある長い絵巻物であるそうだ。
描かれているのはのどかな農村風景から街の繁華街まで、数えてみたら人間だけで700人も描かれているという。
神品というくらい有名な絵なので、開封をぶらついているときそれを知っていれば・・・・ たぶんそれでも買わなかっただろうなあ。
わたしは中国の絵画があまり好きじゃないし、海外旅行でみやげをほとんど買わない人間だし、以前登山のたんびにペナントを集めて、やがてそれを飾るスペースがなくなり、最後はみんなゴミ箱にたたっこんだというニガイ体験があるもんで。
※添付したのは 「清明上河図」 のほんの一部。
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