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2012年1月28日 (土)

戦争と平和

待てば海路の日和ありってことかしら。
ソ連版の 「戦争と平和」 がBSで放映されるという。
公開当時に観たおぼえがあるけど、それ以来これほど掛け値なしの大作映画に出会ったことがない。
まだCGのない時代の映画だから、地平線を埋め尽くす兵隊はぜんぶ本物の人間なのだ。
当時のソ連軍を戦場のエキストラに駆り出した大作である。
当時のソ連が見栄をはりまくった大・大作だ。
上映時間 (ぶっとおしで観ると) 7時間という大・大・大作だ。

これだけやったんだから、トルストイの原作を完璧に映像化してあるにちがいない(全部読み通せたことがないけど)。
でもいちゃもんの余地もある。
当初は原作の映画化としてはなかなかのモンだけど、終わりのほうになると、やっぱり共産党がイエローカードを出したらしく、どこか国策映画っぽいイデオロギーの押し付けが感じられてしまうのである。
金を出したんだから体制を賛辞するものでなくちゃいかんということで、政治局が口を出すのはエイゼンシュテインのころからのロシアの悪しき伝統だ。
それでも侵略者のナポレオンがかっこよく描かれているのはエライ。
バーチャルでロシア旅行が体験できるのもわるくない。
エルミタージュが当時の風俗のままの人間つきで体験できるのもいい。
硝煙と逆光の中を、騎兵が突進していく戦争シーンなんか、最近のNHKの 「坂の上の雲」 にも取り入れられていたな。
いくらかの欠点は無視しても、ぜったいに観る価値のある映画である (とわたしは思う)。

DVDは発売されているけど、なにしろソ連 (現ロシア) の映画だから、流通がどうなっているのか、アマゾン・コムで中古が14,700円もするのである。
それがBSで録画すればタダだ。
NHKに高い視聴料をとられているんだから、こういうときにモトを取らなくちゃ。

じつはわたしはとっくにこのDVDの正規版を持っているんだけど、デジタル処理がしてないらしく、映像がテープ時代のビデオのまんま。  汚い!
この映画では、古典絵画を思わせる画面の色調がまたすばらしいので、ぜひデジタル処理したものを観たいと思っていた (映画好きのこだわりだ)。
うれしいことに今回BSで放映される 「戦争と平和」 は、その処理がちゃんとしてあるものらしい。
こうやってわたしの映画コレクションはますます充実していくのだ。

「戦争と平和」 のロシア語タイトルは ВОЙНА И МЦР。
МЦРは、ついマップと読んでしまいそうだけど、ロシアの発音ではこれはミール。
ロシア語の知識をひけらかすわけじゃなく、そういう名前の宇宙ステーションがあったので知っているのだ。

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