戦争と平和の2
BSで放映されたソ連版の「戦争と平和」を観てみた。
ちょっと前のこのブログで、いくらかの欠点は無視してもぜったいに観る価値のある映画であると書いたけど、あらためて観るとなんだかおおざっぱな映画だなという印象。
まだ精神的に若かったころに観たのと、あるていどトシをとってから観たのでは印象が異なるのはやむをえないということらしい。
画質も、はじめて映画館で観たときはもっときれいだったように思ったのに、デジタル処理をしたあとでもあまりきれいとはいえない。
だいたい公開されたあと、この映画はどこでどう扱われていたのか。
BSで放映されたものを観ていても、あまり丁寧に扱われていたものではなさそうだ。
フィルムがきちんと保存されていて、色彩を完璧に再現できた「風と共に去りぬ」のような幸福な映画とはわけがちがうらしい。
1965年のソ連の映画技術はこんなものだったのかもしれないけど、キューブリックの「2001年」はこのわずか3年後の映画なのである。
おおざっぱすぎる映像を観ていて考えた。
現在のDVDプレーヤーには映像を分断したり、接合したりする機能がついている。
これをうまく使えばこの映画から、不要と思われる部分をカットして、自分の好みの映画に再編集できてしまうではないか。
そんなわけで、まず冒頭の、セリフが始まるまえの意味不明な1分間をカット。
騎上のナポレオンが手袋をさっとふりおろして突撃の合図をするシーンも、その直後のもたもたしたショットを気にいらないのでカット。
これを熱心にやれば、ワタシ好みの「戦争と平和」ができてしまいそうだったけど、他人の芸術作品に変更を加えるというのは重罪である。
だからやめたというのはウソで、じつはプレーヤーの機能が完璧ではなく、接合した部分がいささか変調ぎみなのでやめたというのが本音。
ワタシに編集させればもっと傑作になりそうな気がするゾ、この映画。
あいかわらずつまんないことをしてるな、ワタシゃ。
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