反体制活動
昨日と今日の新聞に中国に関する報道が載っていた。
そんなわけでこのブログも、ひさしぶりに中国の時事関連だ。
といっても、意味なく中国を敵対視する人たちにはあまりおもしろくないことだと思うけど。
今日の新聞記事のほうから先にいくと、中国の反体制活動家のなんとかいう人が米国に亡命して、そのあとで朝日新聞のインタビューに応じている。
その一問一答は、どうもへそ曲りのわたしには一種のステレオタイプのように思えてしまう。
つまり、国外に亡命した反体制活動家ならとうぜんいうべきことを言っているようにしか聞こえない。
彼にいわせると、「人権活動家の劉暁波さんのノーベル平和賞受賞後、中国政府は開き直って、西側社会や世論の批判を恐れなくなっている」そうである。
自分にもおよんだ政府の迫害から逃れ、これからは亡命先の米国で民主活動家の支援をする覚悟なんだそうだ。
そのこと自体は立派なことだけど、もっと大局からながめてみると、そんな彼がそれなりの手続きを踏んで亡命できたのはなぜかと疑問に思ってしまう。
北朝鮮や毛沢東時代の中国なら、問答無用で処刑されるか、収容所にたたっこまれてもおかしくない。
亡命した反体制活動家の言葉は急速に重みを失ってしまうのが、これまでの常である。
それをこころえているから中国政府は、文句をいうやつはかたっぱしから(亡命でも脱出でもいいから)追放してしまえという考えなんじゃなかろうか。
このなんとかさんも、やがて徐々に資本主義社会に埋没して、発言力を失ってしまうのがオチだろう。
昨日の新聞のほうでは、中国・広東省のある村で、3カ月にわたる争議の結果、村の幹部を更迭に追い込んだ争議団のトップが、新しい共産党村支部の書記に任命されたそうである。
このトップさんは村民の感情的な対立や暴力的な動きをなだめつつ、世論を味方につけて、さまざまな要求を勝ち取ったとある。
その実績が認められて新しい村長さんになったようなものだけど、いま中国ではこうした、幹部の腐敗を告発する地方争議が各地で持ち上がっている。
反体制活動にもいろいろあるものだ。
国外に亡命して、絶対安全な場所で遠吠えみたいなゴタクをならべているのと、どっちが勇気ある活動といえるだろう。
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