ステディカム
NHKの「世界ふれあい街歩き」というシリーズは、旅好きなわたし御愛用の番組である。
これは世界各地の都市を、ぶらぶら歩きまわる旅人の目線でとらえた紀行番組で、ナレーションがあるだけ、レポーターや撮影スタッフは画面に登場しない。
録画しておいたこの番組を観ていておもしろいことに気がついた。
といっても政治的に意義あることでもないし、就活、婚活に役立つことでもないから、あまり期待しないこと。
つまらないことなんだけど、わたしはこの番組は、てっきりテレビカメラをかついだカメラマンが、歩きながら撮影しているのだろうと思っていた。
カメラがあまりブレずなめらかに動くのは、カメラが大きいのと、よく訓練された撮影者のおかげだと思っていた。
ところがどうもそれだけじゃなさそうだ。
ベトナムのカントーという街編を観ていたら、カメラがボートの舳先からそのまま岸壁に下りるシーンがあった。
このシーンでも映像はぜんぜんブレないのである。
わたしも8ミリ映画やビデオに凝ったことがあり、画面をなめらかに動かすのには苦労した。
カメラを自転車に載せてみたり、ゴミ箱から拾ってきた買い物用の小さなカートを、こりゃいいと移動撮影用のキャスターに利用したこともある。
馬鹿馬鹿しいかもしれないが、映像にこだわる人はこういうところにこだわるのである。
「街歩き」の映像について疑問を感じる人は多いとみえて、ネットで調べたら、この番組のサイトの『よくある質問』のトップにこの質問が出ていた。
http://www.nhk.or.jp/sekaimachi/faq.html
なんでもステディカムというショックを吸収する特殊なカメラ機器を使っているのだそうだ。
『よくある質問』の終わりのほうにそのカメラの写真も出ているけど、肩でかつぐわけではなく、手でささえており、けっこう体力が要りそうである。
コレって、市販したら売れそうな気がするなと思ったら、ちゃんと売られていた。
やれやれ、時代はどんどん進歩しているなってことと同時に、わたしにまだ道楽につぎこむ金と体力があったらなとしみじみ。
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