ドラゴン・タトゥーの女
「ドラゴン・タトゥーの女」を観てきた。
公開されたばかりのミステリー映画だから、あらすじについてゴタゴタいうのは控えることにして、感心したのはずいぶん丁寧に作られた映画だなってこと。
最近の映画の中には、ややもすると手待ちカメラで、照明やカメラのセッティングもろくに考慮しないで作られたようながさつなものがよくあるけど、この映画にはそういう欠陥はなかった。
それはいいんだけど、あいかわらずコマ割りが急テンポで、場面展開が目まぐるしく、年配の映画ファンにはついていけないのに閉口。
40年も前の事件を現代の人間があばこうってんだから、登場人物が錯綜して、誰がどれだっけと整理しながら観なくちゃいけないんだから、もうちっとこちらの都合も考えてくれなくちゃ。
観客の考える時間はもちろんのことだけど、意味のないカットや長回しの効果ってものを理解していない監督が、最近は多くって困るねえ。
せっかく風光明媚な北欧が舞台なんだから、ご当地映画みたく、もっとじっくり風景を見せてもらいたかったゾ。
あらすじと関係ないところでは、いやあ、ひさしぶりに本格的なイヤらしい映画を観たなって感じ。
いやがるヒロインが民生委員みたいな親父に強姦されちゃう(しかも後ろから)場面なんて、変態好みで、そういえばこの映画は変態のオンパレードで、昨今の風俗の不健全さをよく象徴してるみたいで不気味。
そういう映画を観てきて、うれしがってこんなこと書いているわたしの人格まで疑われそう。
わたしは北欧に行ったことがないから知らないけど、あちらのパンク娘ってのはけっこう純情なのねと、変なところに感心もした。
ヒロインを演じた女優さんはこれでアカデミー賞候補らしいけど、古い映画ファンというやつはついキャサリン・ヘップバーンやメリル・ストリーブなんかを連想しちゃうから、それに比肩するほど演技がすばらしいとはとっても思えない。
たぶんパンク・ファッションでバイクにうちまたがるという異色のキャラと、すっぽんぽんで男にまたがっちゃうという大胆さが候補になった理由なんだろう。
日本の広末涼子サンあたりも、私生活をみるとけっこうインランな人らしいから、たまには鼻ピアスにタトゥーで、惜しげもなく裸体をさらして、本場のアカデミー賞に挑戦してもらいたい。
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