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2012年2月 5日 (日)

白鳥の湖の2

002

以前テレビで観た 「白鳥の湖」 では、湖の場面になると影絵や切り絵で白鳥を動かしたり、王宮にさまざまな民族衣装のダンサーが登場するものもあった。
今回の湖は岩の描かれた背景だけですませてあり、チャチな影絵や切り絵がないのは○、そのかわりバラエティに富んだ民族衣装らしいものが出てこないのは×。
「白鳥の湖」 を観る場合、わたしにはヒロインの美しさも評価のポイントだけど、今回のプリマは○ってところ。
このくらい有名なバレエになると、歌舞伎みたいにあちこちに不動の “型” があるみたいで、そういう場面があるたびにひときわ拍手が盛り上がる。
CDではわからなかったチャイコフスキーの音楽も、なるほど、これは悪魔が登場するときの重低音だったのかって、いろいろ新発見があった。

それにしてもバレエというのは大変だと思う。
ダンサーとオーケストラのメンバーだけで、百人近い人間が必要なんじゃなかろうか。
バレエのチケットが高いのも当然だ。
まわりをながめて (自分のことは棚に上げて)、みんななけなしの給料をはたいて観にきたんだろうなあとニヤニヤ。

ソロの演技については、しょっちゅうバレエを観ているわけでもないわたしに、その上手い下手はよくわからないけど、圧巻はやはりミス・ユニバースに出場してもおかしくない美女たちの、一糸まとわぬ、いや、一糸乱れぬ群舞である。
これはもう、なんというか、水晶球の中の幻影のように、わたしには同じ世界のこととは思えない、エレガンスでシックで、別次元の世界であるという感じ。
音楽と照明の美しさにもまどわされて、ぼうーっと夢をみているような2時間だった。
まだものごころつかない女の子にバレエを観せれば、 彼女が将来名のあるダンサーになれるかどうかは別にして、一生の思い出になることは必至である。
わたしも病みつきになりそうだけど、車検だの所得税だのって、ほかにもいろいろお金のかかることが多いからねえ。

バレエの終了後にうしろをふりかえると、エレガンスとはほど遠い、見慣れたお姉さんお兄さん、おじさんおばさんの群れだ。
やっぱり日本人には落語、歌舞伎や長唄がふさわしく、本場のバレエは似合わない。
なにもタキシードを着てこいとはいわないけれど、えっ、バレエを観るときぐらいマスクをはずしたらどうなんだ、マスクを。
いくらインフルエンザが流行ってるからって、日本人てのは感情をおもてに出さない異様な民族と思われてしまうではないか。 たわけもの!
これじゃあ北方四島はいつになっても返ってきません。

※ネットの盗撮・投稿マニアと間違えられないように、今回はカメラを持参しなかった。
添付した画像はネットから見つけたもので、「白鳥の湖」 の中のちっちゃなチャームポイント 『小さな白鳥たちの踊り』 のシーン。

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