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2012年2月28日 (火)

ドラゴン・タトゥーの2

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最近の映画は、なんてため息をついていると歳がばれちゃうけど、「ドラゴン・タトゥー」 の続き。
観ているときはアップテンポに引っ張られて欠点に気がつかなかったけど、あとで考えてどうしても納得できない部分が。

ヒロインは鼻ピアスのパンク娘だ。
映画には出てこないけど麻薬をやったり男と乱交したり、映画にも出てくるけど同性の娘を部屋に引っ張りこんでレズっちゃったり、いろいろイケナイことをしているらしい。
それでお金がなくなって、自分の目付役をしている民生委員みたいな男に泣きついたりするのである。
この男がとんだ助平なやつで、お金と引き換えに彼女をもてあそんでしまうのだ。

そんな身持ちを崩したパンク娘が、一方では優秀な調査員だそうで、この映画の冒頭でもひとつ仕事をこなしている。
仕事というのは大富豪の依頼で、主人公の007役者が信用に足る男かどうかを調べるのだ。
彼女がOKを出したおかげで映画はスタートするのだから、彼女の優秀さは本物らしい。
彼女が組織に属しているのかどうかよくわからないけど、どっちにしたってこれだけ優秀な調査員なら、仕事はひきも切らないだろうし、その日の生活に事欠くことはないだろう。
しかもこの映画の最後では、悪徳実業家の資産をごたごたにまぎれて (フィッシングで) かすめ取る才覚をみせている。
こんなパソコンにも通じたスーパーマンみたいな娘が、なんで助平男に蹂躙されなくちゃいかんのだ。

原作がわるいのか脚本がわるいのか知らないけど、へんにトラウマをかかえた過去なんか持ち出さずに、優秀すぎてモテすぎて、お金にも不自由してなくて、かえって人生がつまらない、道楽でパンクをやってんだよという設定のほうが、ずっと異色でおもしろくなったように思う。
それじゃイロっぽい主人公が活躍するフランスのコミックみたいという人がいるかもしれないけど、満たされすぎた人生に生きがいを見いだせないというのは、永遠の哲学的テーマでもあるんだ。
そのへんをどう料理するかは監督の力量にもよるけどね。

タイトルにある “龍の彫りもの” にしたって、映画の中ではなんの意味も持ってない。
パンク娘のタトゥーが事件解決の重要な伏線になるような話にすれば、ミステリーとして完璧なのに。
これじゃあ金をかけて丁寧に作られたエロ映画だ。
イヤらしい場面を無理に押し込んだみたいだ。
ちなみに彼女をもてあそぶ助平男のエピソードを削除してごらん。
ほれ、ちゃんと映画の意味は通じるでしょ。ぜんぜん変わんないでしょ。

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