バージョンアップ
パソコンを使っていると、よく「バージョンアップできます」という表示が出る。
わたしはやたらに新しいバージョンを追いかけるほうではないから、たいていは無視してしまう。
パソコンにはそういうものを自動的にダウンロードして、ソフトを自動的にアップしてしまう設定もあるらしいけど、それも遮断してある。
そんなわたしでも、ときどきそんなつもりはないのに、ついはずみでYESボタンをクリックしてしまう場合がある。
するともう止まらない。 なにかのソフトがネットを通じて自動的にバージョンアップ(以後V-up)されてしまうのである。
つい最近も、なんのソフトだったかおぼえてない(たぶんあのソフトだろうと見当はつく)けど、こちらにその気がないのにV-upしてしまったことがあった。
すると、その後パソコンに微妙な変化が起こった。
わたしは旅行が好きで、ツアー検索や調べものをするためによく旅行サイトを閲覧する。
このV-upをしたあと、あっちこっちのホームページを開くたびに、やたらに旅行会社の広告が目につくようになったのである。
ははあ、やりやがったなと思う。
たぶんこのV-upの中に、わたしの好み、つまりわたしがどんなサイトをよくのぞくかということを探知する機能が仕組まれていたのだろう。
知っている人はもちろん知っているだろうけど、ネット企業の大半は広告をおもな収入源にしている。
広告を出すほうにとってみれば、いかに効率的に広告を見てもらえるか、見てもらえるところに広告を載せるかということは重大な問題だ。
個人の好みをデータとして収集できれば、そのネット企業は広告主に対して、うちは広告を見てもらえる確率が高いですよと宣伝することができる。
世界中の個人の嗜好をデータ化できれば、そのデータベースは計り知れない価値をもつ。
個人の好みを集める機能自体は、ウイルスのように悪さをするわけじゃないし、むしろ自分の好みの広告が優先的に出てくるなら便利じゃないかと思う人もいるだろう。
しかしわたしは、自分の知らないところで勝手にそんなことをされるのは嬉しくないし、なにやら得体のしれない巨大な機械が、じんわりと動き出したような不気味さを感じてしまう。
気のせいであってくれればいいんだけどネ。
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