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2012年4月

2012年4月30日 (月)

イスタンブール/エミノニュの2

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埠頭を大勢の人が右往左往している中に、ケスターネ・ケバブという焼き栗みたいなものや、ドーナツ型のスィミットというパン、トウモロコシなどを売る屋台が出ている。
ボスポラス海峡のクルーズはいかが、なんて客引きもちょろちょろしている。
海上ではカモメがひらりひらり、鵜が潜ったり浮かんだりして、エミノニュではぼんやりしていてもぜんぜん退屈しない。
イスタンブール名物の、ぐらぐらゆれるサバサンドの船もこのへんにあるということだけど、今回の旅ではいちども見なかった。
2番目から4番目の写真はエミノニュ、およびイスタンブールのあちこちで見かけた軽食の屋台。

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ガラタ橋の上には釣り人がいた。
いったいどんなものが釣れるんだいと好奇心にかられて橋の上に行ってみた。
ガラタ橋は金角湾という細長い入江をまたいで、イスタンブールの旧市街と新市街をむすぶ橋である。
この橋は自動車もトラムも通るけど、両側に歩道があり (写真を参照のこと)、そこがトルコの太公望のいい釣りポイントになっている。

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釣れていたのはボラだった。
日本でも伊豆あたりの港でよく見かけるし、排水溝のあたりに群がっていることが多くて、あまり上等とは思えない魚だけど、珍味とされるあのカラスミの母親に相当する魚である。
トルコではカラスミも有名だそうだ。
わたしは台湾で山積みされたカラスミを見たことがある。
見ただけでそんなものをしょっちゅう食べられる身分じゃないけれど、ネットで調べてみたら、トルコのカラスミは蜜蝋でパッケージされていて、いっぷう変わった色かたちをしているとあった。
カラスミの話題は、このあとエジプシャン・バザールのところで、ちょっとだけ出てきます。

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イスタンブール/エミノニュの1

衣料品の専門市場から、わけもわからず路地を歩き続けていたら、そのうちひょいとイェニ・ジャーミーまえの広場に出た。
このモスクの周辺は以前の旅行のさいに見物したところだし、目の前にガラタ橋という特徴のある風景がひろがっているからすぐわかった。
道路を渡ったところがフェリー埠頭になっていて、そのうちわたしが行ってみようと考えているガラウキョイやボスポラス海峡クルーズの船もここから出るのである。
ここでは2回に分けてフェリー埠頭のようすを紹介してしまおう。

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天気のいい日だったので、埠頭に行ってしばらくぼんやりした。
このフェリー埠頭のある場所 (地名) はエミノニュという。
とにかくやたらに人の多いところである。
ここからはさまざまな方向へ、さまざまなフェリーが発着していて、フェリーが着くとどっと人がはきだされ、どっと人が乗り込み、たちまち船は出ていく。
するともうすぐ後ろにつぎのフェリーが接近しているという塩梅。
カドウキョイ行きのフェリーなんか20分間隔ぐらいのピストン輸送だ。

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ぼんやりしながらくだらないことを思考した。
わたしは原則として人ごみがキライだけど、考えてみたらこの瞬間、大勢の群集の中にわたしの知り合いはひとりもいないのである。
おそらく5キロ四方、いや、100キロ四方、1000キロ四方にひとりもいないんじゃないだろうか。
こういう状況はほんとうにこころが落ち着くものである。
なんてことを平然と書くから変人のそしりをまぬがれないんだけど、エミノニュでぼんやりしているのは本当に楽しいひとときだった。

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いちばん上の写真はガラタ塔を望むガラタ橋のたもとの景色。
2番目がガラタ塔で、3番目はエミノニュの側から見たイェニ・ジャーミー。

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イスタンブール/衣料品街

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首尾よくイスタンブルカルトを手に入れて、さてどうするか。
自分はいまベヤズットというトラムの駅のわきに立っている。
ここはイスタンブールでもブルーモスクやアヤソフィアなど、名所旧跡の多い旧市街に属する場所だから、行く場所はいくらでもあるけれど、さしあたっての目的がない。

ふと見ると、駅のまん前にバィェズィト・ジャーミーという、とてもおぼえられそうにない名前のモスクがあって、そのわきになにやら人だかりがしていた。
のぞいてみたら、せまい路地の両側に衣料品をあつかう商店がびっしり並んでいて、トルコ人が大勢つめかけている。
これはおもしろいと、じつは衣料品なんかに興味はないからあまりおもしろくないけど、路地に分け入ってみた。
ここは衣料品専門の市場だった。

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衣料品がつまらないのは、売られているものが日本にいくらでもあるTシャツ、ジーンズなどで、どうやら現在世界を席巻しているメイド・イン・チャイナ、および人件費の安い途上国の製品がここでも幅をきかせているようだからである。
かたわらに大きな広告塔があって、トルコのモデルの大きな写真がかかげてあった。
わたしはトルコ語がさっぱりだけど、ここに書いてあるのはあのアルマーニかもしれない。
このモデルが身につけている服は、肌を露出せず、なおかつエレガントというお手本みたいで、こんな服ばかりなら見て楽しいけど、大半はそうじゃない。
いっそのこと、4番目の写真にあるような、スルタン・ファッションというか、ターバンとかハーレム・パンツなんか専門に売っている店があるとおもしろいんだけどね。
女性の下着売り場もあったけど、先進国、退廃天国の住人のわたしが顔を赤らめてしまうような、ド派手な下着もどうどうと売られていた (写真は撮れませんでした)。

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トルコはイスラムの国といっても世俗主義を国是とする国だから、イスラムの戒律はそれほどきびしいものではなく、女性でも西欧ふうに髪を出し、Tシャツにジーンズという娘も多い。
その反面、日本人にはどうしても異質としか思えない5番目の写真のような女性もけっして少なくない。
この国は欧州とアジアの架け橋というだけあって、ファッションも多様だから、興味のある人にとってはおもしろいところかもしれない。

ぶらぶら歩いていたら、公共水道があった。
イスタンブールのバザールというのは、もともとスルタンの厩舎だったなんて話を聞いたことがあるので、そういえば馬の水飲み場に見えなくもないね。

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2012年4月28日 (土)

イスタンブール/イスタンブルカルト

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イスタンブールを歩きまわるにはイスタンブールカード (こちらではイスタンブルカルト) があると便利である。
これは日本のJRにあるSUICAのようなプリペイドカードで、これさえあればトラム (路面電車)、メトロ、バス、フェリーなど、市内のほとんどの公共機関を利用できるという。
それで到着した翌日は、なにをさておいてもまずこのカードの入手を目指した。
ところでそれはどこへ行けば買えるのだろう。

駅に行けばあるだろうと、ホテルからいちばん近い、トラムのスルタンアフメト駅に行ってみた。
しかし、駅といっても路面よりちょっと高くなったホームがあるだけで、駅舎があるわけでもないし、駅員がいるわけでもない。
ホームの両はじに改札機が置いてあるだけの、かなりいいかげんな駅である。
カルトを売っている店は見当たらない。

うまい具合に、カタコト日本語のわかる絨毯屋の客引きが話しかけてきた。
カルトを売っている場所を知らないかと訊くと、知ってる、知ってる、こっちだというのでついていったら、絨毯屋に引っ張り込まれてしまった。
そんなものは要らんと断固拒絶し、店の店員にカルト、カルトと尋ねると、三つ先の駅で売っているよという。
三つ先といっても、トラムの駅の間隔は短いから歩いていけない距離じゃない。

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まわりはにぎやかな通りだから、見物しながら歩いても楽しいので、トラムの軌道にそってぶらぶらと歩く。
ベヤズットという駅まで歩いて、ようやく駅のわきのキヨスクみたいな店に 「イスタンブルカルトあります」 という張り紙を見つけた。
店の兄さんに1枚くれというと、なにやらべらべら。
ここでチャージもしなければいけないと言ってるらしい。
いくらぐらいチャージすればいいだろう。
日本にあてはめて考えると、2、3千円もチャージすれば、4、5日の滞在には十分ではないか。
で、カード自体の値段も含めて50リラ (2200円ぐらい) を渡した。

これで首尾よくカルトを手に入れ、安心してまた歩きだしたけど、あとでレシートを見たら47リラになっていた。
くそ、3リラおつりを返せ、なんてセコイことはいわない。
旅は始まったばかりだ。
ここはイスタンブール、あこがれのトルコの大地。
なんの、たかが130円ぼっちで。

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いちばん下の写真下がトラムの駅のようす。
ときどき軌道上をオートバイが走ってきたり、ホームを横切って道路を横断する人がいます。

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2012年4月27日 (金)

イスタンブール/朝食

散歩を終えてホテルにもどる。
昨夜、宿泊手続きをしたとき、べつに朝食券のようなものはくれなかったけど、食堂はわたしの部屋の目のまえだ。
勝手に入って勝手に食べて、誰もなにもいわなかった。

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ホテルの朝食は、現代では世界中のほとんどのホテルの定番となったバイキング。
これについてべつにどうこういう気はない。
わたしの胃袋は脆弱で、朝っぱらから西洋料理をもりもり食べられるほど健康じゃないのである。
納豆やアジの開きでもあればいいけど、そりゃ無理。
パン2枚とハム、チーズ、生のトマト、キュウリ、フルーツに、紅茶があればいいってんで、このホテルでもそうした。
ホテルの名誉のためにいいそえるけど、けっしてこの写真のような貧弱なバイキングじゃなかった。

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これをナイフとフォークで食べるのだ。
西洋流ではフォークは左手に持つものらしいけど、そんな器用なことはできっこない。
わたしは右手にフォークを持ち、ハムもトマトもぶすりと突き刺して口に運んだ。
日本に来た欧米人が箸を使うのとたいして変わらない。 おたがいさまである。
ドレッシングかと思ってキュウリにかけたものが、じつはシロップだったけど、しらばっくれて美味そうな顔をして食べたから、ほかの客はそれが日本式の食べ方と思ったのではないか。

トルコのパンは美味しい。
ジャムもバターもつけずにかじってもである。
紅茶も日本のお茶代わりで、砂糖を入れずにがぶがぶ飲んだ。
朝食からしてすでにトルコ料理には、ケーキや菓子パンなどの甘味が豊富である。
それが女性たちにどんなおそるべき結果をもたらすか、まもなくわたしはあちこちで目にすることになる。

この写真では宿泊客は少ないみたいだけど、わたしの部屋は食堂のまん前だから、部屋に出入りするたびに食堂をながめることになる。
7時から9時までの朝食時間を通してみると、けっこう宿泊者は多かった。
欧米人がほとんどで、東洋人はひとりもいないようだった。

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2012年4月26日 (木)

イスタンブール/彷徨の4

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下から2番目は、ニューヨークの地下鉄あたりが起源の落書き文化が、イスタンブールをも侵すという証拠写真。
最後は民家のあいだの跨線橋から見た景色。  

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イスタンブール/彷徨の3

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イスタンブール/彷徨の2

彷徨(ぶらぶら)の2。 近所の風景の2だ。 木造建築の特集だ。

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イスタンブール/彷徨(ぶらぶら)

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イスタンブールは歴史のある街で、トプカピ宮殿やアヤソフィア、スルタンアフメット・ジャーミー (ブルーモスク) など、名所旧跡が多い。
あいにくわたしはそういうものにあまり関心がない。
関心のある人にとっては、ホテル・アルバトロスは便利なところだ。

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朝の散歩で海辺に行ったわたしは、帰りにぶらぶら散歩していて、ちょいと坂道を上がったら、もうそこがブルーモスクのわきの広場であることに気がついた。
ホテルからブルーモスクまで徒歩5分というところである。
ブルーモスクのとなりがアヤソフィアで、その向こうはトプカピ宮殿だ。
そんな最高の地の利の場所にあるせいで、アルバトロスのまわりにはほかにもホテルがたくさんある。
ただ、付近の環境が貧しい、古くからある住宅街って感じで、ガイドブックの中にはちょっと治安がわるい場所なんて書かれていることもある。
わたしはけっしてそんなふうに思わなかった。
ヒマなおりに何度かそのへんの路地を歩きまわってみたけど、危険なんかぜんぜん感じなかった。

いちど、手ぶらで歩いていたら、黒い革ジャンの2人組に呼び止められたことがある。
一瞬、来たかと身構えてしまったけど、スイマセン、×××はどうやって行くんですかだって。
わたしもエラくなったもんだ。

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そんな地の利のいいホテルに泊まっているくせに、今回の旅では名所旧跡よりも、ふつうの、なんでもない通りを見て歩くことのほうが多かった。
異国の、日本とはぜんぜん異なる風景の街をさまよっているのはとても楽しい。
こういう性格はけっしてわたしひとりのものじゃないと思う。
NHKテレビの紀行番組に 「世界ふれあい街歩き」 というのがあって、この番組の旅はわたしの旅によく似ている。
ただもうだらだらと歩きまわり、名所旧跡にはあまり立ち寄らないくせに、生鮮市場やちょいとした商店、そのへんのふつうの人々との会話にすぐに道草するところが。
ネットなとで見るかぎりこの番組の評判はいいようだから、世間にはこういう旅を愛する人も多いということなのだろう。
孤独というものに愛着を感じる人にとって、話し相手もなく、地理もわからないまま、ありきたりの町並み、市井の人々の生活空間を、ぼうっとながめているほうが楽しいということは、まぎれもない事実なのである。

ここではホテル・アルバトロスの近所の景色を、4回に分けて紹介してしまう。
古い地区らしく石畳が立派で、木造建築が多いこともよくわかる。

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2012年4月25日 (水)

イスタンブール/カラス

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ホテル・アルバトロスは海から近いので、翌朝6時ごろ、わたしはさっそく海岸まで散歩に出かけた。
ホテルから海岸まで、鉄道のガードをくぐり、広い自動車道を横切って、せいぜい5、6分だ。
この交差点の近くにも1本ミナーレのキュチュク・ジャーミーというモスクがあった。
ミナーレというのはイスラム寺院に立っている突塔のことで、この本数が多いほど格式の高いモスクということになっているらしいから、ここは、まあ、並みの上ぐらいかしら。
                                                                   
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イスタンブールは海辺のリゾートではないから、景色がとくべつにいいわけじゃないけど、海岸は公園になっていた。
岸壁にそってぶらぶら歩く。
目のまえの海はマルマラ海で、沖にぼうっとかすんだ陸地が見える。
もうこの時間から岸近くで漁船が操業中で、出港していくフェリーもあった。
カモメがひらりひらりと飛んでいて、空をながめている分には気持ちいいところだけど、地上を見るとちょっとがっかり。
けっしてきれいな公園ではない。
トルコ人というのは公衆道徳に難があるのか、芝生の上やベンチのまわりにはにゴミが散らばり、防波堤の上に砕けた酒ビンが散乱していたりした。

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そんなゴミの上にカラスがいた。
以前の旅で報告したことがあるけど、白いカラスだ。
そんなことに興味がないっていう人にはどうでもいいことだけど、バード・ウォッチャーを自認するわたしは、ここでイスタンブールにも日本にもいくらでもいるくせに、どこか違うっていう鳥を紹介してしまう。

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1番上が、白い、正確には背中からお腹にかけてグレーのカラス。
2番目はハトだけど、ドバト、キジバトのいずれでもない、日本じゃ野生のものはあまり見かけないタイプ。
3番目はスズメ。 ほっぺたに奴さんマークがなく、ホウジロの仲間に見えなくもないけど、動きや民家の周辺をうろちょろしているところはまさにスズメ。

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2012年4月24日 (火)

イスタンブール/最初のホテル

最初の晩に泊まったのはホテル・アルバトロスである。
アルバトロスはアホウドリのこと。
日本では絶滅危惧種で、いろいろと繁殖計画がされている鳥である。
あまり利口そうに聞こえない名前だけど、わたしはこの名前になぜかロマンを感じてしまうタイプ。 わるくない。

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あらかじめネットで調べたら、イスタンブールの同じ場所に、木造と石造りの同じアルバトロスという名前のホテルがあることがわかった。
わたしとしては木造のほうがなんとなくボロっちく、それだけに船員宿のようなロマンが感じられたので、そっちに泊まりたかったんだけど、旅行会社にウチと取り引きがありませんといわれてあきらめたのである。

現地に着いてからそのあたりを探してみたにもかかわらず、木造のアルバトロスはとうとう発見できなかった。
どうやら建て直して新しくなったのが、わたしが泊まったアルバトロスで、ネット上に古い木造時代の写真が残っていたものらしい。

もうひとつ。
わたしは木造建築は古いもので、石造りのほうが新しいのかと思っていたら、かならずしもそうじゃなかった。
アルバトロスの近所に木造のホテルはたくさんあり、どっちかというとわりあい新しそうなホテルばかりだった。
石のホテルは昔からあるが、木造というのはトルコでは新建材なのかもしれない。

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さて、ホテル。
まる暗記していた英語で、日本で予約しましたというと、ふたつ返事で了解だった。
わたしがフロントで宿泊手続きをしていると、玄関からきれいな欧米人の娘が入ってきた。
彼女はわたしと目があうとちょっと微笑んだ。
わたしも微笑み返そうとしたけど、意表をつかれた顔の筋肉がそんなに素早く反応できなかったので、そのタイミングを失ってしまった。
どうも日本人はこういうことがヘタである。
部屋の鍵をもらってさっさとどこかへ姿を消したから、この娘はホテルの宿泊客だったようだ。
なんか素敵な出会いが始まると期待したアナタには申し訳ないけど、彼女と2度と会うことはなかった。

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わたしの部屋は、(たぶん) このホテルでいちばんひどい部屋。
部屋の窓から見えるのは、目の前30センチにそびえる衝立みたいな壁ばかりで、部屋のドアは古くさい鍵をがちゃりとまわして開ける方式だもんだから、不器用なわたしが1回で開けられたためしがない。
おまけにフロントから10メートルしか離れてないから、出入りがまる見えだ。
しかし日本で、部屋も見ないで予約し、しかも男のひとり旅では、ホテルとしても空き巣が出張してきたのではないかと監視する意味もあるだろうし、こういうことは日本でもよくあることである。

そんな点を無視できれば、壁掛けテレビも冷蔵庫も金庫も備わっているし、シングルといっても、ベッドは日本人なら楽に2人が寝られるサイズ。
ベッドのわきにはガラスのビーズで飾られたトルコ風?の電気スタンドがあり、ベッドカバーにも小さなガラス玉が縫い付けられていて、ハレムの王様の布団みたい。
風呂場にはバスタブがなかったけど、わたしはシャワーだけでも1週間ぐらい我慢できるタイプだから、まあまあ上出来の部屋じゃあるまいか。

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このホテルを全方位カメラで紹介するサイトがあるので、以前紹介したけど、あらためて紹介してしまう。
http://www.hotelalbatros.com/sanal/sanaltur/index.html

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2012年4月23日 (月)

イスタンブール/到着

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共和制トルコの生みの親の名前を冠したアタチュルク空港に到着したのは、現地時間で20時40分。
日本からの直行便だから、客は日本の団体旅行客が多い。
そういう人たちが幼稚園の生徒みたいにあちこちに集めさせられているのを尻目に、わたしだけはさっさと出口に向かう。 なんとなく映画の主人公になった気分である。
トルコでは入国カードも書く必要がないし、空港の案内標識は 「乗り換え」、「バスポート」、「荷物受取」 の三つしかなかったから、英語のニガ手なわたしにもよくわかった。

通路のある場所に、ぞろりとした白いイスラム・ファッション、チャドルやヒジャブと呼ばれる服装の女性たちがかたまっていた。
さっそく写真におさめると、おばさんたちの中にひとりだけ若い美人がまじっていて、わたしのほうを興味深そうに見つめていた。

荷物を受け取るためにターンテーブルのわきで待機しながら、まわりをじっくりながめてみる。
たまたまわたしのターンテーブルのとなりがカサブランカからの便のもので、荷物が出てくるのを待っているのは、顔以外を完全防御したイスラム女性が多かった。 ここはイスラムの国であることをいよいよ実感する。

荷物を受け取って空港の出口に向かう。
とちゅうで、なにかの店の前に立ってつまらなそうな顔をしていた男性に、タクシー乗場はどこですかと訊いてみた。
こんなことを書くと英語がぺらぺらみたいに聞こえるかもしれないけど、じつは 「Taxi」 と 「Where」 という二つの単語を並べただけだから小学生にでも訊ける。
つまらなそうな顔をした男性は、あっちとつまらなそうな顔のまんま返事をした。
まあ、彼がうれしがる必要はぜんぜんないわけだけど。

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タクシーの運転手には、あらかじめプリントしておいたホテルの名前と地図を見せ、わたしはあっという間に夜のイスタンブールへ走り出した。
運転手は話し好きなトルコ人で、名前はカシム (と聞こえた)。
トルコ人らしく、りっぱなヒゲを生やしている。
わたしもヒゲでは負けていない。 カシムにいわせると、わたしの顔はトルコ人に似ているそうである ・・・・・

さて、これがイスタンブール、あこがれのトルコの大地だ。 この瞬間のわたしの高揚感はとてつもなく大きかった。

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2012年4月22日 (日)

イスタンブール/ワイン

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どんなにおそくっても時間はけっして後もどりしないから、2時間遅れの飛行機もようやく出発時間がきて、わたしは成田空港を無事に離陸した。
トルコまでは12時間かかる。
北朝鮮がミサイルをぶっ放すなんていきまいたおかげで、今回はそれにさらに1時間半がプラスされてしまった。
飛行機の中でどうやって時間をつぶすかということが、海外旅行の最初の関門だ。

じつはトルコ航空のカウンターで搭乗手続きをしたとき、座席の希望はありますかと訊かれた。
わたしは飛行機の窓から外の景色を見るのが好きなので、普段ならまちがいなく窓ぎわの席にしてもらうところだけど、今回は考えた。
窓ぎわの席というのはたいていせまい。せまいところに12時間では、到着するころにはエコノミー症候群というやつで、ひざが曲がってしまっているかも。
それよりも、何度か経験しているんだけど、非常扉のわきなんて座席は、足をぴーんとのばせる上に、目の前に美しい女性の客室乗務員が座る場合がある。
で、そういう場所にしてもらえますか、足がのばせる場所がいいですねと返事した。

おかげでわたしはテレビもなにもない席に座るはめになってしまった。
たしかに足はまっすぐにのばせるけど、わたしの前には壁があるだけで、美女が座るはずの座席もなかった。
ヤケクソでトルコに着くまで、ずっと手持ちのICレコーダーで音楽を聴いていた。
トルコは遠い。 しかしここでも時間はけっして後もどりはしないのである。

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写真は機内で飲んだワインとビール。
以前の旅でワインの注文にオタオタしたわたしは、今回は007映画なんかを観てじっくり勉強しておいたおかげで、問題もなく赤ワインを注文できた。

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2012年4月21日 (土)

イスタンブール/つまづき

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海外のひとり旅といっても、わたしのこれまでの経験から大幅に脱線するはずがない。
ホテルに着いたら日本で予約しましたといって、その書類とパスポートを見せればいい。
あとはワカリマセンで押し通したって問題はないだろう。
なにか問題がおきた場合、言葉がわからないと不便だけど、問題が生じないように、つまりたいていのことは自分ひとりで片付けるようにすればいいことである。
そういうわけでわたしは、「日本で予約しました」 というセリフだけは丸暗記した。

成田空港までは高速バスにした。
わたしは仕事でよく首都高速を走るけど、乗用車とバスではながめる景色がまるでちがう。
ふだんは目の高さの他の乗用車を、高い位置から見おろすことになるので、このへんで早くもムハンマドかスルタンになった気分。
そういうわけで高級車に乗った美女が、スマートフォンを操作しながら車を運転しているのなんてのもバッチリ見てしまった。
危ないでがすよ、お嬢さん。

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飛行機は直行便のトルコ航空である。
直行であるからとちゅうでオタオタする必要がない。
とちゅうでオタオタする必要はないはずなのに、カウンターに行ってみたら、出発は2時間遅れますという張り紙がしてあった。せっかく早起きしてきたのに。
こういうことはよくあるので、文句をいっても仕方がないのである。
わたしは以前成田空港で、12時間遅れるというグアム便を見たことがある。
2泊3日の新婚旅行だったら12時間の遅延は大きい。 これが原因でケンカ別れしたカップルがいたら、飛行機会社は責任をとってくれるのかどうか。

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2012年4月19日 (木)

イスタンブール/カルト

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これはイスタンブールカード (イスタンブルカルト)。
これさえあればイスタンブール市内の、トラム(路面電車)、メトロ、バスからフェリーまで、たいていのものには乗れてしまう日本のJRのSUICAみたいなものです。

おかげさまで無事に帰ってきました。
このカードのおかげでまったくの自由行動。
おもしろうてやがて悲しき帰朝報告は、ま、ゆるゆるとまいりましょう。

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2012年4月12日 (木)

イスタンブール/旅立ちの日

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もうしわけありませんが、今日から1週間ばかりブログはお休みします。
昨夜、いただきもののイクラを食べすぎて、お腹のぐあいが変。
それと、北朝鮮のミサイルはどうなっちゃうのか、そのへんがちと心配だけど、お金はみんな払い込んじゃったから、もうあとには引けないのだ、イスタンブール。
帰国報告をお楽しみに。

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2012年4月11日 (水)

イスタンブール/ロシアより愛を

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イスタンブールのお勉強というわけで、このたびは部屋にあった007映画のDVDを観る。
イスタンブールと007にどんな関係があるのかと訊く人はいないだろう。
このシリーズの最高傑作とされる 「ロシアより愛をこめて」 は、イスタンブールを舞台にしているのである。
ただし、なにしろ1963年、ということはいまから50年もまえの映画だ。
これから出かけようというわたしにあまり参考になるところはないと思うけど、しゃれた会話、随所にちりばめられた伏線、チェスの試合やアニタ・エクバーグの巨大なポスターなど、よく練られた脚本と手間ひま、そして製作費をつぎこめば、荒唐無稽な活劇でもいくらでもおもしろくなるという見本みたいな映画である。

この映画には、当時まだ現役だったオリエント急行が出てくる。
列車が出発するのは本物のスィルケジ駅のようだし、列車をけん引するSLもスィルケジ駅に展示されていた本物のようである。
ということは、このブログの2010年2月11日の記事に書いたことがある。

そのオリエント急行の食堂車で、ジェームス・ボンドと殺し屋グラントが食事をするシーンがある。
ウェイターが飲み物は何にいたしましょうかと訊く。
料理が魚料理だったのでボンドは白ワインを注文するんだけど、グラントのほうは
「俺は赤だ」
このセリフは、ロシア=共産党=赤 という駄じゃれだと書いた本があった。
しかしこの映画ではグラントがロシア人である設定にはなっていないから、これはちょっと深読みしすぎじゃないかと思う。
ついでにいわせてもらえば、じつは欧米でも、料理によってワインの白赤を決めるのはスノッブということになっているらしいので、あんまり変なマナーはおぼえないほうがいい。

わたしは海外旅行をし始めたころ、飛行機の中でワインを飲もうとして、スッチーから白と赤のどっちにしますかと訊かれ (英語で)、もちろん意味はぜんぜんわからなかったから、返事ができずオタオタしてしまった経験がある。
で、英語の勉強のために、映画のこの部分を何度もくり返して観た。
何回観てもさっぱり聞き取れないけど、赤ワインは単純にREDでいいようである。
飛行機の中でトルコ・ワインを飲む機会があったら、実践英語を試してみようと思う。

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2012年4月 9日 (月)

花見

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いよいよイスタンブール出発まであとわずか。
昨日はいろいろ野暮用で都心まで出かけてきて、ついでに某所でサクラ見物。
おまえんちの近所にはサクラがないのか! こんなところまで出てくんな!とわめきたくなるくらいの混雑で、いいかげん疲れた。

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2012年4月 8日 (日)

イスタンブール/旅行保険

ミサイル発射だって息巻いている北朝鮮の近くを飛ぶのはヤバいってんで、飛行機が迂回することになったらしく、トルコ旅行のスケジュールに変更があったことは、ちょいと前のこのブログに書いた。
もうすこし高い旅行保険に入っておけばよかったということも。

で、旅行保険についてだけど、昨日のネット・ニュースに、日本の病院が中国人に治療費請求なんて記事があった。
なんでも観光目的で日本にやってきた中国人が、ホテルで持病の発作を起こして病院に搬送されたものの、手術後に亡くなってしまい、治療費を取りっぱぐれたんだそうだ。
困った病院は、中国に住む遺族に治療費を請求ってことになったんだけど、それが674万円。
なるほど。
と感心しているばかりじゃいけない。

たとえばアメリカで大震災や原発事故が発生したとする。
アメリカの観光客は激減だ。
あまりアメリカが好きではないわたしだけど、こういうときこそお役に立ちたいと、いそいでグランドキャニオン観光ツアーあたりに参加して、外貨をばらまいて・・・・ くるほど金持ちではないんだけど、とにかく気分だけでも米国支援をしようとしたとする。
ところが空港でなにやら胸騒ぎがして、頼みもしないのに救急車で運ばれて、そのままむなしく異国の土となってしまった。
ずいぶんあっけないけど、そうなったと仮定する。

これは持病ですから旅行保険の対象外ですと、アメリカの保険会社ならいいそうなことだ。
持病にこころあたりはなくても、そんなものはこじつけようと思えばいくらでもこじつけられることは、映画 「シッコ」 でおなじみだ。
そうして、本人は死んでしまったからどうでもいいけど、遺族にどかーんと6740万円の請求書がきたとする (金額がひとケタちがうのは米中の現実に即しているのである)。

わたしの遺族は貧乏人ばかりだから、そんなものは払えっこない。
アメリカの病院ならさっさと請求をあきらめて、取りっぱぐれ保険でまかなおうとするだろう。
そんな手合いが多いから、米国の保険会社はますますあくどく、手を変え品を変え、儲けを確保しようとするのかもしれない。
日本では病院は医は仁術とこころえている (らしい) から、安直に遺族に請求もできず、保険会社も儲けを度外視して無条件で支払いに応じている (らしい) から、そういう点では気のドクな面もある。
気のドクでもない袖は振れないものだ。
わたしに寿命はあっても持病はないはずだから、ここで宣言しておこう。
わたしがイスタンブールの病院で頓死しても、請求書はあくまで保険会社にまわすように。

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2012年4月 7日 (土)

凍れる惑星

今夜から英国BBCと日本NHKが協同制作した 「フローズンプラネット」 という番組が始まる。
ここんところ必要にせまられてすこし英語の勉強をしているわたしのことだから、これが “凍れる惑星” という意味であることはわかる。
日本語で書いても意味は通じるのに (しかもSF的でカッコいいのに)、なんでNHKは日本語表記をしないのかとトサカ (頭の上にある) にきちゃうけど、まあ、そういうところは我慢することにして、英国BBCは科学番組では定評のある放送局である (NHKはそれほどでもない)。
なんでNHKがそれほどでもないのか。
ときどき視聴者サービスのつもりかどうか、科学番組にそのへんのタレントを起用したり、新しく開発した映像機器なんかあると、やたらに自慢して、それで撮った映像をこれでもかこれでもかと見せびらかしたりするからである。

以前 「ナノ・スペース」 というおもしろい番組があった。
わたしたちの眼に見えない極小の世界を紹介する科学番組で、なかなかためになる番組だったけど、これに進行係として起用されていたのがタモリ。
べつにタモリに恨みがあるわけじゃないし、彼の人間性に欠陥があるわけでもないけど、どうもわたしのイメージと異なるよな。
ここはやっぱり、デヴィッド・アッテンボローみたいに、基本となる科学知識が動作のはしはしににじみ出るようなタレントを使ってほしかった。
ただ、彼は歳をとって動けなくなっちゃったのか、最近はBBCでも科学番組にべつの若い科学者を起用するようになっているようだ。
変なイメージのある既成のタレントより、無名の学者なんかかのほうがマシのように思うけど、日本の科学者や研究者の中には、アッテンボローさんのような、タレント性とカッコよさをそなえた若者はいないのかねえ。

今夜の番組の進行係りは大沢たかおっていう役者さんらしい。
つけ焼き刃の知識ならすぐ露呈するだろうから、わたしは一抹の危惧をいだいて観ることにしよう。

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2012年4月 6日 (金)

6分咲き

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東京じゃサクラが満開になったってことだけど、ウチの近所じゃこんな具合。
この写真じゃ満開に見えても、まだせいぜい6分咲きってとこ。

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イスタンブール/変更

旅行会社から連絡があって、トルコ行きの飛行機にスケジュールの変更がありましただって。
イヤな感じである。

わたしはこれまでに何度か海外旅行の経験があるけど、飛行機が遅延したことはあっても、飛行そのものが中止になったことはいちどもない。
先日の暴風雨ではぜんぜん飛べなかった飛行機がたくさんあったようだけど、ああなった場合、飛行機代は返してくれるんだろうか。 それとも翌日便に振り替えてくれるんだろうか。
いやいや、自然現象だからって、返還も振り替えもまるでナシってことになるのかも。

以前成田空港で、グアムかサイパンあたりの飛行機の到着が12時間遅れてますなんて表示が出ているのを見たことがある。
この飛行機に乗る予定で待っているのが新婚さんで、2泊3日の新婚旅行だったりしたら、12時間の遅延はイタイ。 これが原因で夫婦仲が険悪になり、離婚にいたっても飛行機会社は補償してくれないだろうしねえ。
経験のないことだから、いきなり変更といわれても困っちゃうんだけど。

さいわいわたしの飛行機のスケジュール変更は、到着時間が1時間半ばかり遅くなるだけだった。
だけど、直行便でしょ。 ジェット旅客機でしょ。 なんで1時間半遅れるんだ。
とちゅう、空中でホバリングでもして時間をつぶそうってのか。

考えてみたらわたしが出発する12日は、北朝鮮がミサイルを射つと予告している日だった。
日本からトルコまでの最短距離は朝鮮半島をかすめるコースだから、どうもこれが理由でいくらか迂回するってことらしい。
でも心配だよな。
なんせ北朝鮮製のミサイルだから、どこへ飛ぶかわからない。
まちがってこちらの飛行機にぶつかることはないとしても、暴走迷走して、韓国や日本の沖縄あたりから迎撃ミサイルが発射されないともかぎらない。 1発じゃ命中しっこないからたくさん発射するだろう。
わたしの飛行機のまわりでそんなドンパチが始まったら、これはコワイぞ。
ケチらずに、もうすこし高い旅行保険に入っておけばよかった。

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2012年4月 5日 (木)

尻ポケットに

信号待ちをしていたら、わたしのまえを、落っこちそうなズボンの若者が通った。
街でよく見かけるファッションだけど、こういうズボンの正式名称はなんていうのだろう。
調べてみたら「腰パン」というらしい。
もともとは刑務所の囚人のズボンだとか、貧乏人の象徴だとか、いろいろ説があるようだけど、米国伝来のスタイルが反体制的でカッコいいってことのようである。
わたしはファッションにも関心があるし、他人が何を着ようとおおきなお世話だから、つまりどうでもいいんだけど、ちょっと気になったのは、この若者が尻ポケットに札入れをつっこんでいたこと。
それもルイ・ヴィトンだ(まさか本物じゃあるまい)。

尻ポケットに札入れを無造作につっこんだ若者も街でよく見かけるけど、これはまさか米国伝来のスタイルではないだろう。
だいたい米国(やロシアや香港)で、ここに財布がありますなんて、これ見よがしにみせびらかしたらどうなるか。
こればっかりは平和で治安のいい日本独自のファッションではないか。
そう思って最近の外国の若者の風俗を調べてみたけど、映画にも写真にもやっぱり尻ポケットに札入れっていうスタイルはあまり見られないようだ。
今度外国に行ったら、そういう点もよく観察してこよーっと。

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卑猥な花

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前項について、なんでサクラが卑猥な花なのかという質問が、なかったけど、あった場合のために弁解しておく。
このブログの08年4月2日の記事に書いた・・・・ あ、過去の記事を参照する場合は、ブログの右にある「バックナンバー」という文字の上でクリックしてください。 過去の記事がすべて一覧表になって出てきます。

さて、どうしてサクラが卑猥なのか。
サクラって、見た目は清純な女性にたとえられる場合もありますが、清純そうな女性だって、本心はじつに淫乱な性格を隠し持っている場合があります。
たとえば女優の○○○子サンみたく。

サクラってさ。
よく幹のとんでもないところに、ぽつんと花がついていることがあるでしょ。
わたし、あれを見るたびに、ほんの1週間か2週間で子孫繁栄のための営みをすまさなけりゃならないソメイヨシノが、大慌てで、もうとにかくどこでもいいから花をつけちゃえと。
高校生なんかも精力があまっていると、プチップチッと顔ににきびが出てきますよね。
それといっしょ。
この時期のサクラの体内では情欲がうずまいていて、それがあまりに激しいものだから、恥も外聞もなくおもてに噴出しちゃっているんじゃないかと妄想してしまうんです。
やっぱり卑猥じゃないでしょうか。 考えすぎでしょうか。

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2012年4月 4日 (水)

サクラ

495

わが家の近所は知る人ぞ知るサクラの名所である。
さて、その開花の状況はいかにと、ぶらぶら観察に行ってみた。
添付した画像はなんとか見つけたサクラの花だけど、ほとんどがまだつぼみの状態。
あったかい息をフッと吹きかければ、ああっと切ないため息とともに、開いてしまいそうな感じではあるんだけどね。
もうまもなく、樹皮の下で情欲が狂おしくかけめぐる季節。
ホント、サクラってのは卑猥な花だ。

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2012年4月 3日 (火)

仏壇

仏壇というものがある。
ご先祖さまを祀るものであるから大切にしなさいなどという。
うーんである。

以前、知り合いの引っ越しを頼まれて行ったことがある。
知り合いは一戸建ての借家に住んでいたんだけど、奥さんと死別し、息子も独立し、本人は年金暮らしになったので、一戸建てでは不経済ということで、小さなアパートに引っ越すことになったのである。
わたしは4tトラックを運転して、荷物を運んでやることになった。

いろんなものを積みこんで荷台がほぼいっぱいになったとき、仏壇をどうするかという話になった。
床の間いっぱいおしこめられた大きな仏壇である。 とてもトラックに乗りそうもない。 だいいち新しいアパートに入りそうもない。
どうしましょうかと訊くと、知り合いも返答に窮していたが、けっきょくほっぽらかしていこうということになった。
不運な仏壇が、その後どうなったか知らない。 おそらく粗大ごみとしてしかるべき処理をされたのであろう。

前の年のおかざりなんかを神社仏閣で年末年始に燃やすように、仏壇を廃棄する場合も、お寺に頼んで魂抜きみたいな方法をとるべきかもしれない。
しかしわたしは仏壇なんてものにありがたみも尊敬の念も感じてないから、同じような場面に直面したら、たぶんこの知り合いと同じようなことをするだろう。
バチ当たりめと思われるかもしれない。先祖を大事にしないのかと叱責されるかもしれない。
でもわたしは亡くなった人たちに対する畏敬の気持ちが他人におとるとは思わない。

わたしの親父はとっくに死んだけど、若いころは甲斐性なしで、いろんな職業を転々とした人だった。
魚の行商までしたことがあり、わたしは幼いころ、親父に連れられて近郊の町の市場まで仕入れにつき合わされたことがある。
冬の寒い朝で、列車から見た朝焼けの空がとてもきれいだった。

わたしは親父にもういちど会いたいと思う。
ただ会うだけじゃつまらない。
あのころの親父とわたしにもどって、会いたいと思う。
親父と会うだけじゃつまらない。
あのころの近所の知り合いの人たちと、あのころの風景の中で会いたいと思う。
日本がまだ貧しかったけど、家族のきずなが今よりもずっと強かった時代にもどり、水田がいちめんに広がっていた関東地方の農村のかたすみで、わが家で飼っていたネコまで含めたすべての人たちと再会したいと思う。

わたしが仏壇を尊重しないのは、つまり、形式にこだわったり、見栄を張ったりするのが死ぬほどキライだからなのである。

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2012年4月 2日 (月)

イスタンブール/カドウキョイ

最新の旅行ガイドを読んでみたら、イスタンブールに新しい水族館ができたそうである。
なんでも世界最大級の水族館で、魚が約1500種、ほかに15000に及ぶ海と陸の生物が展示されています、だそうだ。
ホントかよ。
べつの、じっさいに行ってきた人のブログを見たら、日本の水族館に比べると、フッと鼻で笑ってしまいそうな規模と書いてあった。
どっちが正しいかというと、こういう場合、ハズレのほうが正しい場合が多いのである。
まわりを海にかこまれた海洋国家の日本は、知る人ぞ知る水族館大国なのだから。

がっかりするのは覚悟のうえで、なにしろわたしは博物学に興味があるし、水族館が大好きであるから、ヒマつぶしに行ってみるかと思う。
むかしダイビングに凝ったことがあるので、伊豆や沖縄、小笠原の魚はわりあいよく知っているほうだけど、紅海・地中海の魚なんて、魚屋で切り身になっているものぐらいしか見たことがない。
ひょっとするとめずらしい魚に遭えるかもしれない。

そんなことを考えつつ、この、じっさいに水族館へ行ってきた人(トルコ人と結婚した日本女性)のブログを読んでいったら、カドゥキョイという町のすばらしさにふれた部分があった。
のんびりしていてイスタンブールより住みやすそうな町とある。
添付された写真を見ると、市場があって山盛りの野菜や鮮魚をならべた露店が軒を接している。
ここでは蒸したムール貝をその場で食べられるらしい。
水族館では泳ぐ魚しか見られないが、こういうところなら魚はもちろんのこと、トルコ人の食生活、食文化さえうかがえるのではないか。
わたしはマルタ島で、わざわざ漁港を訪ねたくらい、そういうものに関心があるのである。

で、イスタンブールでは水族館よりもカドゥキョイに行きそうな気がする。 2トルコ・リラのフェリーで、ボスポラス海峡を渡った先にある町だそうだ。

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