イスタンブール/雨宿り
カドゥキョイの市場を見て歩いているうち、おそれていた雨が降り出した。
降らないほうに賭けていたわたしは傘を持っていなかったから、雨宿りをかねて、そのへんの食堂の店頭にならべられたテーブルに坐る。
雨がふるとキャンバス製のひさしをテーブルの上に張り出すから、ここならぬれる心配がない。
通りに面しているから、店の中と通行人の両方をながめられるので、ヒマつぶしもいい。
ただで坐るわけにもいかないから、目の前に積まれていたムール貝を食べてみることにした。
ほんとうは生牡蠣でもあればよかったけど、簡単に食べられるものとしてはムール貝が手っ取り早かったのである。
ムール貝は炒めて味付けしてあり、レモンをしぼって食べる。
わたしは魚や貝が好きだから、これはとても美味しかった。
ムール貝を肴にビールを飲みながら、ぼんやりとまわりをながめる。
店ではおやじさんがひと口カツみたいなものを揚げている。
人気のある食べものらしく、買いにくる人がひきも切らないが、わたしは揚げものがニガ手なので、ながめるだけである。
そこへ高校生ぐらいの娘が飛び込んできて、ムール貝を3つ4つ立ち食いしたあと、また風のように飛び去っていった。
この食堂は日本や米国のマクドナルドに相当するものであるらしい。
いちばん最後の写真は、雨にうたれながら、わたしのすぐ近くでケータイをかけまくっていた女のヒト。
わたしとなんの関係もないんだけど、わたしの前を行ったり来たり。
はからずもトルコ人と日本人、イスラム教徒と仏教徒、いずれも女の子はケータイが大好きという、どうでもいい真理に思いあたったのでありました。
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