イスタンブール/ハイダルパシャ
ハイダルパシャの駅はフェリー埠頭から、徒歩20分ぐらい。
海岸にそって歩いていたら、陸から30メートルくらい離れた場所に筏が浮いていて、カモメ、ウ、バンなどがそのまわりに仲良く共存しているのが見えた。
イスラム教徒もキリスト教徒もこうでなくちゃの見本みたいだった。
ハイダルパシャは2年前のトルコ旅行のさい、夜行列車で到着した駅である。
駅の建物は2010年の11月に火災に遭っており、トルコ人と結婚してトルコに住んでいる日本人女性が、たまたまその現場に居合わせて、写真を自分のブログに載せている。
http://blog.livedoor.jp/istanbulcafe/archives/2010-11.html
オイオイオイってところだけど、歴史遺産というべき建物はなんとか健在で、いまも威風堂々とその場にそびえている。
やはり列車が着く時間ではないのか、駅のまわりは閑散としていた。
駅舎に入ってみた。
重厚な石造りの建物だから日本みたいにかんたんに改築しないようで、内部も芸術品のように立派な装飾がそのまんまである。
残念なことに、この伝統ある建物も、すでに新しいべつの駅が建設中で、近いうち骨董品になる運命だという。
圧倒されるような重厚な待合室に、金髪の娘がひとりぽつん。
大きなバックパックをとなりに置いているから、欧米の勇気ある女性ツーリストであろう。
駅の正面に往年のオリエント急行で使われていたと同じタイプのSLが展示されていた。
また、結婚式があったのか、ウエディングドレスの女性と新郎がうろうろ。
イスラムの国にしちゃ、ほとんど裸体といっていいドレスだ。
結婚式にしては他の親族の姿が見えないから、なにかコマーシャル撮影でもしていたのかもしれない。
駅の正面玄関を出たところに小さな売店がある。
店のわきにテーブルが並べてあったので、ミネラル・ウォーターを買ってイップクすることにした。
テーブルのひとつに若い娘が座って、最初は地図を広げていた。
彼女も欧米からきた旅行者かもしれない。
髪を露出したままだから、すくなくとも厳格なイスラム教徒ではない。
つぎに彼女はトルコの新聞を読み始めた。
こうなるとどこの何者なのかわからない。
ひょっとすると地方から出てきたトルコの田舎娘が、バイト先を求めて求職欄でもながめていたのかも。
イップクしながら、あれやこれやと若い娘の消息について推理するのはタノシイことである。
ぼちぼち引き上げようと海にそって歩いていたら、岸壁にイスラム娘がぽつんと座っていた。
なんだか寂しそうである。
厳格なイスラムの教えを遵守していたのでは、彼氏もなかなか出来ないのではないか。
あたしは日本のオンナの子みたいな自由恋愛がしたいのよお、イスラムなんてキライ! という声が聞こえてきそうだった。
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