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2012年5月17日 (木)

イスタンブール/トラム

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イスタンブールのトラム (路面電車) に乗っていると、つくづくこの国は自己責任の国だなと思ってしまう。
ギュルハーネ駅からスィルケジ駅にかけては、トラムはせまい通りを、それこそ商店やレストランの軒下すれすれに走っていく。
トラムの窓から歩行者の肩をたたけるといっても、ぜんぜんオーバーじゃない。
これじゃ年に数人は、不注意な人間がトラムと接触事故を起こしてるんじゃないか。
日本だったらすぐ、危険だ、政治家はなにをやってるんだ、どうしてこんなせまいところにトラムなんか作ったんだと大騒ぎになる。
しかしトルコの政治家なら、たぶんこういうだろう。
トラムは毎日同じところを走っている。
注意しないのは注意しないほうがわるい。
子供が轢かれれば、子供にちゃんと注意をしこまなかった親がわるい。

こういう考えは世界の主流であると思われる。
日本の常識は世界の非常識なのだ。
なんでもかんでも行政におまかせで、何かあったら責任追及だ、補償だ、弁償だ。
いくら国民のための行政でも、まだ起こってない事故にまで備えていたら、その費用は甚大なものになり、税金がいくらあっても足りやしない。

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これが強権的な社会主義の国なら簡単だ。
そこどけってわけで、住民を強制的にどこかへかたづけて、広々とした場所を確保してからトラムを作るだろう (いまの中国みたく)。
トルコはいちおう民主主義の国であるから、住民をかたづけるわけにもいかず、そうかといって名所旧跡からはなれた郊外に路線を作ったのでは、なんのためのトラムかわからない。
ここはやっぱり自己責任が妥当であると思われる。

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トラムと車と人間が混然一体となったギュルハーネ駅あたりの、いかにもヨーロッパ的光景がおもしろいので、写真撮影に行ってみた。
ながめているとトルコ人は、トラムの直前を平然と横断する人種であることがよくわかる。
いちばん下の写真なんか、トラムの軌道上で荷下ろしを始めちゃった車だ。
こういう人種が相手じゃトラムもたまらない。

トラムの中から撮影したこのあたりの動画をYouTubeに載せてあるから、興味のある人はどーぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=iHHTQ1D-yzA&feature=relmfu

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